CharactersプロパティとCharactersオブジェクト
セルの文字列やオートシェイプの文字列の一部のフォントを変更する場合、Charactersを使います。
複数形の名称でもあり、コレクションのようにも見えてしまいますがコレクションではありません。
Charactersプロパティ
Charactersオブジェクトを使用して、テキスト文字列内の文字の書式を設定できます。
名前 | 必須/オプション | データ型 | 説明 |
Start | 省略可能 | Variant | 返す先頭文字を指定します。 この引数に1を指定するか、省略すると、このプロパティは先頭文字から始まる文字列範囲を返します。 |
Length | 省略可能 | Variant | 返す文字数を指定します。 この引数を省略すると、引数Startにより指定された文字より後にある、文字列の残りの部分を返します。 |
引数をすべて省略した場合は、文字列全体のCharactersオブジェクトを返します。
Charactersプロパティをメンバーに持つオブジェクト
Shape.TextFrame2.TextRange.Characters
ShapeRangeオブジェクトも同様です。
Charactersオブジェクト
Charactersオブジェクトを使用すると、フルテキスト文字列に含まれる文字シーケンスを変更できます。
メソッド
Delete | オブジェクトを削除します。 |
Insert | 選択されている文字列の前に文字列を挿入します。 |
プロパティ
Application | オブジェクトを作成した Application オブジェクトを返します。 |
Caption | 指定された範囲の文字列を表す文字列型 (String) の値を返します。 |
Count | 文字数を表す長整数型 (Long) の値を返します。 |
Creator | このオブジェクトを作成したアプリケーションを示す、32 ビットの整数値を返します。 |
Font | 指定したオブジェクトのフォントを表すFontオブジェクトを取得します。 |
Parent | 親オブジェクトを返します。 |
PhoneticCharacters | 指定したCharactersオブジェクトのルビ文字列を設定または返します。 値の取得および設定が可能です。 ※Rangeオブジェクトのみ |
Text | 指定されたオブジェクトのテキストです。 値の取得および設定が可能です。 |
RangeオブジェクトでValue値が文字列以外(数値、日付等)の場合は、Textプロパティはエラーとなります。

CharactersオブジェクトにはデフォルトプロパィもItemプロパティもありません。
したがって、For...Eachで文字列を処理することはできません。
文字列の一部を扱う為には、Charactersプロパティに引数を指定したCharactersオブジェクトを操作します。
CharactersプロパティとCharactersオブジェクトの使用例
文字列の一部のフォントを変更する
With Range("A1").Characters(3, 2).Font
.Name = "MS Pコジック"
.Size = 14
.Color = RGB(255, 0, 255) 'vbMagenta
.Bold = True
.Italic = True
End With

↓

以下では、文字位置が分かり易いように"12345"のようなサンプルとしています。
セルには、数値としてではなく文字列として数字が入っているものとして理解してください。
文字列の一部を同じ文字数で置換する
Range("A1").Characters(3, 1).Text = "A"
"12345" → "12A45"
文字列の一部を多い文字数で置換する
Range("A1").Characters(3, 1).Text = "AB"
"12345" → "12AB45"
文字列の一部を削除する
Range("A1").Characters(3, 1).Text = ""
Range("A1").Characters(3, 1).Delete
"12345" → "1245"
上記2例はどちらも3文字目が削除されます。
文字列の途中に文字を挿入する
Range("A1").Characters(3, 0).Text = "C"
Range("A1").Characters(3, 1).Insert ("C")
"12345" → "12C345"
上記2例はどちらも3文字目に"C"が挿入されます。
文字列の最後に文字を追加する
Range("A1").Characters(10, 1).Text = "E"
"12345" → "12345E"
第2引数の数値は、実際の文字列数より大きければいくつを指定していも構いません。
上記の場合は、6以上の数値であれば同じ結果になります。
Charactersオブジェクトをオブジェクト変数に代入
Dim cs As Characters
Set cs = Range("A1").Characters(4, 1)
cs.Text = "D"
"12345" → "123D5"
データ型は、
Characters
Object
Variant
いずれでも構いません。
Shapeオブジェクトの場合
Dim sp As Shape
Set sp = ActiveSheet.Shapes(1)
sp.TextFrame.Characters(2, 1).Text = "B"
Dim sp As Shape
Set sp = ActiveSheet.Shapes(1)
sp.TextFrame2.TextRange.Characters(2, 1) = "B"
上記2例はどちらでも同じく、2文字目を"B"に置換します。
ShapeRangeオブジェクトの場合
Dim sp As Shape
Set sp = ActiveSheet.Shapes(1)
Dim sr As ShapeRange
Set sr = ActiveSheet.Shapes.Range(sp.Name)
sr.TextFrame.Characters(3, 1).Text = "C"
"12345" → "12C45"
このVBAの場合、ShapeRangeで処理することに意味はありません。
あくまで、ShapeRangeでもCharactersが使えることのサンプルです。
ただし、
ShapeRangeに複数のShapeが格納されている場合はCharactersプロパティはエラーとなります。
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