VBAの演算子まとめ(演算子の優先順位)
VBAの演算子はそれほど多くはないので通常使う範囲では困ることは少ないのですが、
他人の書いたVBAで特殊な使い方がされていた場合等で悩むことは結構あるかもしれません。
そのような時の参考として演算子のまとめになります。
特に解説をするということではなく、演算子の全体についてここにまとめて記載し若干の補足を加えたものになります。
全体目次
演算子の優先順位
つまり、最初に算術演算子、次に比較演算子、最後に論理演算子が評価されます。
各演算子グループの中では、より上が優先順位が高くなります。
↑ 高 低 ↓ |
算術演算子 | → | 比較演算子 | → | 論理演算子 |
^(指数) | すべて同じ 優先順位 = <> < > <= >= Like Is |
Not | |||
-(符号反転 ) | And | ||||
* / | Or | ||||
\(割り算の商) | Xor | ||||
Mod(割り算の余り) | Eqv | ||||
+ - | Imp | ||||
&(文字列連結) |
同一優先順位の場合は、式の左から右へ順に評価されます。
括弧()内は他の式より先に評価されます。
上記の優先順位を知らなくても読めるように適宜()括弧でくくるようにしてください。
算術演算子
演算子 | 説明 |
+ | 足し算 |
- | 引き算(符号反転) |
* | 掛け算 |
/ | 割り算 |
\ | 割り算の商 |
Mod | 割り算の余り |
^ | 指数(べき乗) |
第15回.四則演算と注釈(コメント)|VBA入門
比較演算子
比較演算子 | 意味 |
= | 等しい |
<> | 等しくない |
> | より大きい |
>= | 以上 |
< | より小さい |
<= | 以下 |
Like | パターンマッチング |
Is | オブジェクト参照変数を比較 |
第20回.条件分岐(If)|VBA入門
第49回.Like演算子とワイルドカード|VBA入門
論理演算子
論理演算子 | 意味 | 条件例 | 結果 |
And | 論理積 | True And True | TRUE |
True And False | FALSE | ||
False And True | FALSE | ||
False And False | FALSE | ||
Or | 論理和 | True Or True | TRUE |
True Or False | TRUE | ||
False Or True | TRUE | ||
False Or False | FALSE | ||
Xor | 排他論理和 | True Xor True | FALSE |
True Xor False | TRUE | ||
False Xor True | TRUE | ||
False Xor False | FALSE | ||
Not | 論理否定 | Not True | FALSE |
Not False | TRUE | ||
Eqv | 論理等価 | ||
Imp | 論理包含 |
第20回.条件分岐(If)|VBA入門
連結演算子
上記では+演算子が加算になるか連結になるかの説明を省略しましたので、以下に記載します。
MS公式 +演算子
条件 | Then |
両方の式が数値データ型(Byte、Boolean、Integer、Long、Single、Double、Date、Currency、Decimal) の場合 | 加算 |
両方の式がStringの場合 | 連結 |
一方の式が数値データ型で、もう一方の式が任意のVariant(Null以外) の場合 | 加算 |
一方の式がStringで、もう一方の式が任意のVariant(Null以外) の場合 | 連結 |
1つの式が空のバリアント型 (Variant) | もう一方の式がそのまま返されます |
一方の式が数値データ型で、もう一方の式がStringの場合 | エラー(型が一致しません) |
いずれかの式がNullの場合 | Null |
両方の式がVariant式:両方のVariant式が数値の場合 | 加算 |
両方の式がVariant式:両方のVariant式が文字列の場合 | 連結 |
両方の式がVariant式:一方のVariant式が数値で、もう一方が文字列の場合 | 加算 |
単項演算子
つまり、演算子の左右の項に対して演算を行うものです。
しかし、
-(符号反転)
Not(論理否定)
この3つの演算子は単項演算子になります。
^(指数)は直前の項に対して演算を行います。
-(符号反転)とNot(論理否定)は直後の項に対して演算を行います。
Not(論理否定)は論理演算の中では最も優先順位が高くなります。
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