VBA技術解説
ユーザーに絶対に停止させたくない場合のVBA設定

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
最終更新日:2021-08-22

ユーザーに絶対に停止させたくない場合のVBA設定


ユーザー操作によりマクロVBAが実行中に停止させられてしまう場合があります。
再実行可能であれば問題ありませんが、途中で強制停止された場合のデータ保証が出来ないと言った場合もあるでしよう。


マクロ実行でも、以下のキーボード操作でVBAは停止できてしまいます。
「Esc」
「Ctrl」+「Break」
これらのキーによりVBAが停止しては困る場合もあります。

以下は、このようなキー操作でVBA実行を停止させられないようにする為のVBA記述です。


ユーザーに絶対に停止させないVBA

今日は4月1日なので、少々おふざけVBAで確認してみましょう。
※言うまでもないですが、実行は自己責任でお願いします。



Sub 止められるものなら止めてみろ()
  Application.Interactive = False
  Application.EnableCancelKey = xlDisabled
  
  Dim i As Long
  For i = 1 To 10
    '以下は適当に入れたもので特段の意味はありません。
    Application.Wait Now() + TimeSerial(0, 0, 1)
    DoEvents
    MsgBox WorksheetFunction.Rept("ムダ!", i)
  Next
  
  Application.Interactive = True
  Application.EnableCancelKey = xlInterrupt
  MsgBox "ムダな悪あがきでしたね!"
End Sub

Application.EnableCancelKey

ユーザーが実行中のプロシージャを中断する Ctrl + Break (または Esc または Command + Period) を処理する方法を制御します。

Application.EnableCancelKey = XlEnableCancelKey
XlEnableCancelKey
xldisabled 割り込みを無視します。
xlErrorHandler このエラーは、On Error GoToステートメントでトラップできます。
エラーコードは18です。
xlInterrupt デバッグ、終了などを行えるように、実行中のプロシージャを停止します。

このプロパティは慎重に使用してください。
xldisabledを使用した場合、キー操作でマクロVBAを中断させることはできません。
同様に、xlErrorHandlerを使用していてもエラーハンドラーが常にResumeステートメントを使用して戻る場合は、停止させることはできません。
マクロ実行が終了した後は、自動的にxlInterruptに設定されます。


Application.Interactive

Microsoft Excel が対話モードの場合はTrue。
通常、このプロパティはTrueです。
このプロパティをFalseに設定すると、キーボードおよびマウスからのすべての入力がブロックされます (コードによって表示されるダイアログボックスへの入力を除く)。

Application.Interactive = True/False

ユーザー入力をブロックすると、ユーザーがExcel オブジェクトを移動したり、アクティブにしたりしても、マクロを妨害することはできません。
マクロの終了前に必ず設定をTrueに戻してください。
マクロ実行が終了しても、このプロパティは自動的にはTrueに戻りません。

解説

「Esc」や「Ctrl」+「Break」を止めるだけであれば、
Application.EnableCancelKey = xlDisabled
これだけでも良いと思われますが、更に念には念を入れて、
Application.Interactive = False
こちらも入れています。
Interactiveについては、マクロ終了後も戻らないので、必ずTrueに戻してください。

上記VBAは、10回の「OK」で終了します。


ユーザーに絶対に停止させないVBAの実行結果

ユーザーに停止させないVBA

・・・

ユーザーに停止させないVBA

ユーザーに停止させないVBA




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