第15回.四則演算と注釈(コメント)
エクセルは表計算ソフトですから、計算が出来なくては話になりません。
この四則演算で使う算術演算の演算子は、ワークシートの演算子と同じです。
あわせて、注釈(コメント)の書き方も覚えましょう。
算術演算子
演算子 | 説明 |
+ | 足し算 |
- | 引き算(符号反転) |
* | 掛け算 |
/ | 割り算 |
\ | 割り算の商 |
Mod | 割り算の余り |
^ | 指数(べき乗) |
普通に使えば、特に問題はないでしょう。
必ず()でくくって計算順序を明示して下さい。
演算子の優先順位に頼るような記述は理解しづらいので止めましょう。
優先順位について簡単に記載しておきます。
VBAの演算子まとめ(演算子の優先順位)
A1セルに、単価として300
B1セルに、数量として5
これらが入っているとして、
C1セルに、金額(単価×数量)として1500を入れる場合です。
Sub 練習1()
Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1,
2).Value
End Sub
上記VBAの.Valueは全て省略できます。
ただし、.Valueを省略できない場合もあります。
問題は、このマクロを見ても何の計算をしているかが不明な事です。
C1セル = A1セル * B1セル
これは見れば解ります。
しかし、この計算が何を意味するのかが不明なのです。
そこで、コメント(注釈)を付けて、何をしているか分かるようにします。
注釈
Sub 練習1()
'金額 = 単価 * 数量
Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value
End Sub
このように、'(シングルクォーテーション)の後ろは、コメント(注釈)となります。
VBA実行に何も影響を与えません。
Sub 練習1()
Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value '金額 = 単価 * 数量
End Sub
'(シングルクォーテーション)から後ろだけがコメントになり、
その前までは、普通にマクロVBAを書く事が出来ますし、実際に実行されます。
私は、1行だけに対するコメントは、後ろに書き、
数行分に対するコメントは、先頭から書く事が多いでしょうか。(場合によります)
これらは人それぞれですし、組織のコーディング規則があればそれに合わせてください。
'***************************************************************
'* 四則演算の練習
'***************************************************************
Sub 練習1()
Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value '金額 = 単価 * 数量
End Sub
このような感じで、コメントをひと際目立つように書いたりします。
コメントですから、書き方に特に決まりがある訳ではありません。
自分が後から見た時に、見易いように、
他人に見せた時に、理解されやすいように書いて下さい。
Remステートメント
Sub 練習1()
Rem 金額 = 単価 * 数量
Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value: Rem 金額 = 単価 * 数量
End Sub
Remはステートメントなので、行の途中からコメントにする場合は、マルチステートメントにする必要があります。
ドキュメントコメントについて
その目的で記述したコメントをドキュメントコメントと言います。
これはプログラム言語により、また、ドキュメント生成ツールにより規則が設けられているものです。
他言語のこうした記載方法を真似てVBAソースにも一定の規則でコメントを書く場合があります。
ただしこの書き方も様々ですので、もし気に入った書き方があったら参考にしてみると良いと思います。
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