VBA入門
条件分岐(Select Case)

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2021-08-23

第22回.条件分岐(Select Case)


マクロ VBA Select Case

前回のElseIf以外に、多肢条件分岐の別の書き方があります。


それがSelect Caseになります。
むしろElseIfより、このSelect Caseの方が、より多肢条件分岐に適していると言えます。
Select Caseは、多肢条件分岐に特化したステートメントになります。


Select Caseステートメントの構文

Select Case testexpression
    [Case expressionlist-n
        [statements-n]]
    ・・・
    [Case Else
        [elsestatements]]
End Select

testexpression 必ず指定します。
任意の数式または文字列式を指定します。
expressionlist-n

Case 節がある場合は、必ず指定します。
次の形式で指定します。
expression
expression To expressionIs
comparisonoperator expression
また、複数指定するときは、カンマ (,) で区切ります。
引数 expression には数式または文字列を、引数comparisonoperatorには比較演算子を指定します。
キーワード To は、値の範囲を指定するキーワードです。
キーワード To を使って値の範囲を指定するときは、小さい方の値を先 (左側) に指定してください。
キーワード Is は、値の範囲を指定するキーワードで、Is 演算子と Like 演算子以外の比較演算子と共に使われます。
キーワード Is は指定しなくても自動的に挿入されます。

statements-n 省略可能です。
引数 testexpression が引数 expressionlist-n のいずれかと一致するとき、一致した引数 statements-n のステートメントが実行されます。
elsestatements 省略可能です。
引数 testexpression が Case 節のいずれとも一致しないとき、引数 elsestatements のステートメントが実行されます。

※以下は、ヘルプからの抜粋を少し書き直したものです。

あるCaseで条件を満たした場合は、そのCase句の中のステートメント(次のCaseの手前まで)が実行され、
その後は、End Selectの次のステートメントに進みます。

複数のCaseの条件に一致する場合は、最初に一致したCaseに続くステートメントのみが実行されます。

Case Elseは、どのCaseの条件にも 一致するものが見つからない場合に実行されます。
Case Elseは必須ではありませんが、予測できない値を処理するために使用することをお勧めします。

全てのCaseと一致せず、Case Elseもない場合は、何も処理することなくEnd Selectの後に進みます。


少し解りづらいですね、特にexpressionlist-nについての指定が解りづらいと思います。
以下の例文で理解を深めてください。


Select Case の例文

まずは基本形
Select Case 変数
  Case 1
    '変数=1の処理
  Case 2
    '変数=2の処理
  Case Else
    '変数が上記以外の処理
End Select

Or条件の書き方

Select Case 変数
  Case 1, 2
    '変数=1 Or 変数=2の処理
  Case 3, 4, 5
    '変数=3 Or 変数=4 Or 変数=5の処理
  Case Else
    '変数が上記以外の処理
End Select


範囲指定

Select Case 変数
  Case 1 To 2
    '変数=1 ~ 2の処理
  Case 3 To 5
    '変数=3 ~ 5の処理
  Case Else
    '変数が上記以外の処理
End Select


不等号の使い方

Select Case 変数
  Case Is <= 2 'Is は書かなければ自動挿入されます。
    '変数<=2の処理
  Case Is <= 5
    '変数<= 5の処理
  Case Else
    '変数が上記以外の処理
End Select


Select Caseは、とても使い道が広い汎用的なステートメントです。
If~ElseIf~End Ifは、全てSelect Caseで書き直すことが出来ます。

ElseIfを使ってVBAを書いた場合

If 条件式1 Then
  '条件式1が真の処理
ElseIf 条件式2 Then
  '条件式2が真の処理
ElseIf 条件式3 Then
  '条件式3が真の処理
Else
  '全ての条件式が偽の処理
End If


Select CaseでVBAを書いた場合
Select Case True
  Case 条件式1
    '条件式1が真の処理
  Case 条件式2
    '条件式2が真の処理
  Case 条件式3
    '条件式3が真の処理
  Case Else
    '全ての条件式が偽の処理
End Select

上記2つ(ElseIfとSelect Case)は、同一となります。
私は、ElseIfはあまり使わずに、Select Caseを好んで使います。
なんとなく見やすいと感じています。
使い慣れれば、間違いなく見やすくなると思います。


Select Case の応用

Case節では、カンマ区切り(Or条件)の左から順に評価していき、真(True)になった時点でCase節の中に入ります。
このような評価処理は短絡評価(ショートサーキット)と言われます。
これを応用した使い方が以下になります。
少々特殊かつ難しいので、興味があれば読んでみる程度で構いません。
Select Caseでの短絡評価(ショートサーキット)の使い方
・Select Caseの基本 ・短絡評価(ショートサーキット)について ・Ifステートメントのネストの書き換え ・Select Case での短絡評価(ショートサーキット) ・Select Case を使った短絡評価使用の是非




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