VBA技術解説
省略可能なVariant引数の参照不可をラップ関数で利用

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
最終更新日:2020-07-12

省略可能なVariant引数の参照不可をラップ関数で利用


省略可能(Optional)なVariant引数を省略した場合、その引数は「参照不可」となります。
この「参照不可」の状態について説明します。
そして、これをあえて利用してワークシート関数のラップ関数を作成してみます。


省略可能なVariant引数を省略した場合



Sub sample()
  Call sample_sub
End Sub

Sub sample_sub(Optional arg)
  If IsMissing(arg) Then
    Stop
  End If
End Sub

上記VBAのsampleを実行します。
Stopで停止した時点で、イミディエイト ウィンドウには、
エラー 448
このように表示されます。

エラー番号448の説明についてはイミディエイト ウィンドウで確認できます。
?error(448)、これでEnterすると、

VBA マクロ 448 名前付き引数が見つかりません。

このように表示されます。
Error関数
指定したエラー番号に対応するエラー メッセージを返します。
Error [ (errornumber) ]
errornumberを省略した場合は、最後に発生した実行時エラーに対応するメッセージが返されます。
errornumberが有効でない場合(65536以上)はエラーが発生します。
定義されていないerrornumberの場合は、"アプリケーション定義またはオブジェクト定義のエラーです。"が返されます。
実行時エラーが発生していない場合、またはerrornumberが0の場合は、長さ0の文字列("")が返されます。

Stopで停止した時点で、ローカル ウィンドウを見て見ましょう。

VBA マクロ 参照不可 省略可能な引数

引数argの値は「参照不可」となっています。」
この状態の変数は、ほとんど利用する事が出来ません。
単純に比較演算で使ったり、Is関数以外で使用するとエラーになります。

VBA マクロ 参照不可 省略可能な引数


IsMissing関数

省略可能なバリアント型 (Variant) の引数がプロシージャに渡されたかどうかを調べるためには、
IsMissing関数を使用します。
プロシージャを呼び出すときに省略可能なバリアント型(Variant)の引数がプロシージャに渡されたかどうかを調べるために使用します。IsMissing関数 IsMissing(argname) 引数argnameは必ず指定します。引数argnameには、プロシージャの省略可能なバリアント型(Variant)の引数の名前を指定します。

参照不可をワークシート関数のラップ関数作成に応用

以下では、省略可能なVariant引数が「参照不可」となっている状態の理解の一助として、
SumIfsのラップ関数を作成してみました。

Function SumIfs(合計範囲, ParamArray pArray())
  Dim tArray
  tArray = pArray
  
  Dim aArray(253) '引数の最大数
  Call Array2Array(aArray, tArray)
  
  'ここは使用する最大引数を記述する必要があります。
  '実際には必要と思われる最大数まで引数を列挙すれば良いでしょう。
  SumIfs = WorksheetFunction.SumIfs(合計範囲, _
       aArray(0), aArray(1), aArray(2), aArray(3), _
       aArray(4), aArray(5), aArray(6), aArray(7), _
       aArray(8), aArray(9), aArray(10), aArray(11), _
       aArray(12), aArray(13), aArray(14), aArray(15))
End Function

'コビー元の配列上限以降は「参照不可」にする
Sub Array2Array(aArray, pArray)
  Dim i As Long
  For i = 0 To UBound(aArray)
    If i > UBound(pArray) Then
      aArray(i) = UnRef
    Else
      If IsObject(pArray(i)) Then
        Set aArray(i) = pArray(i)
      Else
        aArray(i) = pArray(i)
      End If
    End If
  Next
End Sub

'「参照不可」を作成
Function UnRef(Optional arg)
  UnRef = arg
End Function

ParamArrayを使用することで、仮引数の記述を簡素化しています。
Subプロシージャー、Functionプロシージャーにおいて、引数リストの数を特定せず、不定個数の引数を渡せるよう可変にしたい場合があります。ワークシートの関数では、引数の個数が不定の関数が多数あります。=SUM(数値1,数値2,...) このように、最後が「,...」となっていて、いくつでも(限度はありますが)指定できる関数です。

ParamArrayで受け取った配列の内容はSumIfsに渡す引数用の配列に各々代入します。
このとき、オブジェクトにはSetステートメントが必要になるので、IsObject関数で場合分けしています。
識別子(主にバリアント変数)がオブジェクト変数を表しているかどうかを判断する場合に使用します。バリアント変数がオブジェクト変数を表しているかどうかを示すBoolean値(True/False)を返します。IsObject関数の構文 Isobject(識別子) 識別子は、主にバリアント変数名を指定します。
ParamArrayで受け取っていない(SumIfsに渡す引数の残り)分は、「参照不可」で渡しています。

一番下の関数UnRef参照不可を作り出しています。
変数をこの状態にすることで、引数を省略した状態として指定できます。

ただし、実際にSumifsを呼び出す部分では省略記法が無いので、必要な数の引数を指定しなければなりません。
この部分はどうしようもありません。

上記VBAの意味合いとしては、引数の指定を簡略化しただけになります。
それでも、引数を何十個も列挙せずに済ませる事には一定の意味があるのではないでしょうか。

もちろん引数の上限数が少なければ、以下のように引数を列記すれば良いことです。



Function SumIfs(合計範囲, _
        Optional 条件範囲1, Optional 条件1, _
        Optional 条件範囲2, Optional 条件2, _
        Optional 条件範囲3, Optional 条件3, _
        Optional 条件範囲4, Optional 条件4, _
        Optional 条件範囲5, Optional 条件5)
  SumIfs = WorksheetFunction.SumIfs(合計範囲, _
        条件範囲1, 条件1, _
        条件範囲2, 条件2, _
        条件範囲3, 条件3, _
        条件範囲4, 条件4, _
        条件範囲5, 条件5)
End Function

本記事では、省略可能なVariant引数の「参照不可」についての説明として、SumIfs関数のラッパーで説明してみました。
実際に使う事はほとんどないとは思いますが、VBAにおけるVariantの使い方の一つとして紹介してみました。



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