第7回.同じ計算を行数分繰り返す
1回だけの処理なら、マクロ(スクリプト)を使わなくても手作業で十分です。
同じ計算を行数分繰り返すとは
金額 = 単価 × 数量
を計算します。

今回は、2行目~11行目までを繰り返し処理します。
getRange(2, 4).を3,4,5・・・
と10行分コピーするなんてことはしていられません。
前回のスクリプト
function mySample3() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
var tannka,suuryou
tannka = sheet.getRange(2, 2).getValue()
suuryou = sheet.getRange(2, 3).getValue()
sheet.getRange(2, 4).setValue(tannka * suuryou)
}
上のスクリプトを2行目~11行目までを繰り返しすように書き換えます。
完成スクリプト
function mySample4() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
var tannka,suuryou
for (var i=2; i<=11; i++) {
tannka = sheet.getRange(i, 2).getValue()
suuryou = sheet.getRange(i, 3).getValue()
sheet.getRange(i, 4).setValue(tannka * suuryou)
}
}
スクリプトの解説
繰り返す処理
}
※forの詳細は後述
iが2,3,4,・・・11と変化し、その間は、{}内の処理を繰り返す
という事です。
suuryou = sheet.getRange(2, 3).getValue()
sheet.getRange(2, 4).setValue(tannka * suuryou)
suuryou = sheet.getRange(3, 3).getValue()
sheet.getRange(3, 4).setValue(tannka * suuryou)
結果として、
2行目~11行目までの計算が出来るという事です。
forの詳細
または、
変数 = 初期値
と書きます。
ここに書く変数は、varで変数宣言しないことが結構あります。
変数宣言しないと、グローバル変数になりますが、
このような、forで使うカウンターは、グローバルで使う事が多いからでしょう。
もちろん、変数宣言したほうが良いです。
通常は、
i < ○
i <= ○
このように書きます。
条件を満たしている間、繰り返し処理が行われます。
変数++
は、インクリメントといって、変数を1増やします。
つまり、
変数 = 変数 + 1
これと同じです。
2UPしたい時は、
変数 = 変数 + 2
を使ってください。
変数--
と書きます。
変数 = 変数 - 1
と同じです。
変数--、--変数
それぞれ「後置」「前置」という言い方をしますが、前記のスクリプトならどちらでも結果は同じです。
「後置」「前置」の違いは、変数をインクリメントした後に返す値が、
後置:インクリメント前の値を返す
前置:インクリメント後の値を返す
このような違いがあります。
変数1 = 変数2++
このような書き方をしなければ、どちらでも同じになります。
forを強制的に抜ける方法
break
を使います。
ifと組み合わせて、ある条件の時、breakでforを抜けることが出来ます。
ifについては、少し後で説明します。
ブロック文
ステートメント1
・・・
}
一般に制御フロー文(例えば if、for など)で用いられます。
同じ計算を行数分繰り返すの最後に
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第7回.同じ計算を行数分繰り返す
第8回.最終行を取得して繰り返す
第9回.コメントの書き方
第10回.条件で処理を変える(条件分岐,if)
第11回.条件で処理を変える(条件分岐,switch)
第12回.表範囲をまとめて消去する
第13回.セルに書式を設定する
第14回.複数のシートを扱う
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