エクセル関数応用
SUMIF関数の良くある間違い

Excel関数の解説、関数サンプルと高等テクニック
公開日:2014-11-01 最終更新日:2015-05-30

SUMIF関数の良くある間違い


エクセルの関数の中で最も頻繁に使われる関数と言っても過言ではないSUMIF関数ですが、
間違った指定をして、合計が合わずに悩み続けて時間を浪費してしまうことあります、
そういう間違いで最も多いのが、範囲と合計範囲の指定間違いです。


まずは、SUMIF関数の確認

SUMIF関数


・SUMIF関数の書式 ・SUMIF関数の使用例 ・ワイルドカード ・SUMIF関数の応用例
範囲の中で、指定した条件を満たすセルの値を合計します。
または、
範囲の中で、指定した条件を満たすセルに対応する合計範囲のセルの値を合計します。

書式
SUMIF(範囲,検索条件[,合計範囲])
※[]で囲まれている部分は省略可能です。
合計範囲を省略した場合は、範囲のセルが合計されます。

範囲
条件によって評価するセル範囲を指定します。

検索条件
計算の対象となるセルを定義する条件を、数値、式、セル範囲、文字列、または関数で指定します。
※文字列条件、または論理記号や数学記号を含む条件は、二重引用符 (")
で囲む必要があります。条件が数値の場合、二重引用符は不要です。
※ワイルドカードが使用できます。

合計範囲
範囲で指定したセル以外のセルを加算する場合は、加算する実際のセルを指定します。
合計範囲を省略すると、範囲で指定したセル(条件が適用されるセル)が加算されます。


では、本題です。
「範囲と合計範囲の指定間違い」とは、どのような状態かということですが、
以下の表で説明します。


エクセルSUMIFサンプル画像

この表で、以下のような指定をした場合に、どのような動作になるかということです。

数式

=SUMIF(A2:B11,"a6",D2:D11)

ここでは、わかり易く検索値を固定で指定しています。

つまり、本来はA列"a6"を探して、対応するD列の値を合計したいのですが、
間違って、検索する範囲をA2:B11してしまった場合です。

ぱっと見では、なかなか気が付きません。
なおかつ、"a6"なら間違いに気が付くのですが、"a1"とか"a2"ですと、正しく合計値が求められてしまいます。

つまり、
=SUMIF(A2:B11,"a1",D2:D11)
なら1
=SUMIF(A2:B11,"a2",D2:D11)
なら2
と正しい答えになります。
そして、
=SUMIF(A2:B11,"a6",D2:D11)
この場合は、17
になります。
ここに至って、Excel壊れたー・・・と叫ぶことになります(笑)

この場合の動作は、以下のようになっています。
=SUMIF(A2:B11,"a6",D2:E11)
これと同じ結果となっています。

SUMIF関数は、複数列の範囲と合計範囲を指定することが出来ます。
もちろん、行位置・列位置の相対位置が同一のものを合計します。
ですので、
=SUMIF(A2:B11,"a6",D2:D11)
この結果は、
"a6"がある、A7B2に対応する合計範囲、D7E2の合計となり17となります。

関数は一度入れてしまえば、なかなか見直すことがありません。
最初に数式を入れるときに、良く指定範囲を確認しましょう。



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