エクセル関数応用
連続数値部分を取り出し記号で連結

Excel関数の解説、関数サンプルと高等テクニック
公開日:2020-03-24 最終更新日:2020-03-24

連続数値部分を取り出し記号で連結


文字と数値が混在している文字列から、連続している数値を取り出し、記号(-ハイフン等)で連結します。


ツイッターでお題をつぶやいたものです。
ab123cde45fg678hij

123-45-678
車中で思い浮かんだのだが、
関数でできるのか?

作成する関数の仕様

ab123cde45fg678hij

123-45-678

いくつかの文字といくつかの数値が、交互に出てくる文字列から、
数値部分のみを取り出し、連続している数値は一塊として、記号(-)で連結します。
ab123cde45fg678hij
数値部分だけ取り出すと、
123 45 678
これを記号(-)で連結して、
123-45-678
このように変換する関数です。

スピル前:2019永続版まで

=SUBSTITUTE(
  TRIM(
    CONCAT(
      IF(
        ISNUMBER(MID(A1,ROW(OFFSET(A1,0,0,LEN(A1))),1)*1),
                 MID(A1,ROW(OFFSET(A1,0,0,LEN(A1))),1),
                 " ")
      )
    ),
  " ","-"
)
CONCAT関数を使っているので、Excel2019永続版以降

先のツイートのリプライにもある通り、これを実現する数式は何通りもあります。

スピル後:Office365

=SUBSTITUTE(
  TRIM(
    CONCAT(
      IF(
        ISNUMBER(MID(A1,SEQUENCE(LEN(A1)),1)*1),
                 MID(A1,SEQUENCE(LEN(A1)),1),
                 " ")
      )
    ),
  " ","-"
)
SEQUENCE関数を使っているので、Office365の2019年12月以降

スピル前からは、以下の部分が変更されています。
ROW(OFFSET(A1,0,0,LEN(A1)))

SEQUENCE(LEN(A1))

LET関数:Office365 Insider 2020年3月現在

=LET(
  セル,A1,記号,"-",
  分割,MID(セル,SEQUENCE(LEN(セル)),1),
  数値,IF(ISNUMBER(分割*1),分割," "),
  SUBSTITUTE(TRIM(CONCAT(数値))," ",記号)
)
2020年3月現在、Office Insiderのみ

関数の作成手順

エクセル Excel 連続数値部分を取り出し記号で連結

文字列長の数列を作成
C1=SEQUENCE(LEN(A1))
1文字ずつに分解
D1=MID(A1,C1#,1)
数値はそのまま、文字は半角スペース" "
E1=IF(ISNUMBER(D1#*1),D1#," ")
数字と半角スペース" "をすべて結合
F1=CONCAT(E1#)
前後のスペースを削除、中間のスペースは1つに
F2=TRIM(F1)
半角スペース" "を"-"に置換
F3=SUBSTITUTE(F2," ","-")

これらを一つの数式に全てネストしたものが前記の数式になります。
F2にはF2=の数式を入れ、F1にはF1=の数式を入れ…順にネストしていけば完成します。
1つの式で済んでいるのは良いのですが、、、
さすがにネストが深すぎて、解読困難になっています。

LET関数の作成手順

前記の個別の数式、

C1=SEQUENCE(LEN(A1))
D1=MID(A1,C1#,1)
E1=IF(ISNUMBER(D1#*1),D1#," ")

F1=CONCAT(E1#)
F2=TRIM(F1)
F3=SUBSTITUTE(F2," ","-")

このままLET関数の名前(変数)にしてしまうと、さすがに変数が多すぎて、ちっとも可読性が良くなりません。
そこで、上記のセルの数式のうち、他の数式で1回しか参照されていないものや、簡単な数式はまとめておきましょう。

C1はD1で1回しか使われていないので、
D1=MID(A1,SEQUENCE(LEN(A1)),1)

F1,F2はそれぞれ1回しか使われていないし簡単な数式なのでまとめてしまいましょう。
F3=SUBSTITUTE(TRIM(CONCAT(E1#)) ," ","-")

残ったのは、
D1=MID(A1,SEQUENCE(LEN(A1)),1)
E1=IF(ISNUMBER(D1#*1),D1#," ")
F3=SUBSTITUTE(TRIM(CONCAT(E1#)) ," ","-")
これをLET関数にします。
F3は最後の数式、D1とE1を名前(変数)にします。

=LET(
  分割,MID(A1,SEQUENCE(LEN(A1)),1),
  数値,IF(ISNUMBER(分割*1),分割," "),
  SUBSTITUTE(TRIM(CONCAT(数値))," ","-")
)
最後は保守性を考えて、関数としての引数を作成します。
A1が入力セル、"-"は記号、これらは見やすく変更しやすいように名前(変数)にします。
以上で完成です。



同じテーマ「エクセル関数応用」の記事

SUMIF関数の良くある間違い

エクセルの関数の中で最も頻繁に使われる関数と言っても過言ではないSUMIF関数ですが、間違った指定をして、合計が合わずに悩み続けて時間を浪費してしまうことあります、そういう間違いで最も多いのが、範囲と合計範囲の指定間違いです。まずは、SUMIF関数の確認 SUMIF関数 範囲の中で、指定した条件を満たすセルの値を合…
論理式とは条件式とは(IF関数,AND関数,OR関数)
エクセルを使いこなす上で論理式はとても重要です、そもそも論理式とは何か、どうして論理式というのか、論理式の作り方、論理式の使い方について解説します。そもそも論理式という言い方が分かりずらいと思う。なぜエクセルでは論理式というのか… Microsoftのヘルプによると、IF関数 構文:IF(logical_test,
先頭の数値、最後の数値を取り出す
数値と文字が混在した文字列から、数値だけを取り出します、先頭の数値や、最後の数値だけを取り出す方法です。A1セルに 1234abcd5678 このA1セルから、1234や5678を取り出します。先頭の数値…1234 =LOOKUP(10^17,LEFT(A1,COLUMN($1:$1))*1) COLUMN($1:…
最後の空白(や指定文字)以降の文字を取り出す
いくつかのスペースやハイフンで区切られた文字列から、最後のスペースやハイフン以降の文字列を取り出します。A1セルに、abcdefghi や abc-def-ghi これらの文字列から、ghiを取り出します。以下では、見やすいように区切り文字は"-"で説明します。
SUMIFの間違いによるパフォーマンスの低下について
再計算が終わらない… そんな経験をした人は多いと思います、原因はさまざまですが、まずは数式を見直してみましょう。単純な四則演算が遅いという事はありません、それはもうPCの問題です。時間のかかる計算としては、大量データの集計計算を多数使っている場合です。
数値範囲で表検索するVLOOKUP近似一致
・表をエクセルで扱えるように調整する ・VLOOKUP関数の近似一致 ・VLOOKUP近似一致がどのように値を探しているか ・VLOOKUP近似一致の表を作成する場合の注意点 ・VLOOKUP関数に関する参考ページ
エクセルの日付と時刻のまとめ
・日付時刻の基本ワークシート関数 ・日付時刻の表示形式・入力規則 ・日付時刻の応用 ・マクロVBAでの日付時刻
連続数値部分を取り出し記号で連結
指数近似/対数近似/累乗近似(掲載順位とCTR)
・Google Search Consoleから:掲載順位とCTRデータを取得 ・散布図と近似曲線 ・X軸Y軸を入れ替えて散布図を作成 ・適切な近似曲線の選択について ・指数近似を数式で求める ・関数の説明 ・掲載順位に対するCTRを求める ・指数近似/対数近似/累乗近似(掲載順位とCTR)の最後に
ジャンプ・セル選択の応用(空欄を埋める、1行置きに挿入)
ジャンプ機能は、指定のセルにジャンプする機能です。このジャンプ先の指定方法が豊富に用意されていて、その応用範囲はとても広いです。以下の2通り、・表の同上で空欄になっているセルを埋める ・表に1行おきにきに空白行を挿入する 動画と簡単な解説で紹介します。
累計を求める数式あれこれ
・例題サンプル ・SUM関数:順に足していく ・SUM関数:絶対参照と相対参照で範囲をずらす ・SUM関数:OFFSET関数で範囲をずらす ・SUM関数:INDIRECT関数で範囲をずらす ・SUMIFS関数:当該行より前の行を条件指定 ・SUM+IF関数:SUM+IFの配列数式(CSE)で ・SUMPRODUCT関数:当該行より前の行を条件指定 ・FILTER関数:当該行より前の行を条件指定 ・SUMIFS関数:スピル ・SCAN関数:LAMBDA関数内でSUM


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
累計を求める数式あれこれ|エクセル関数応用(2024-01-22)
複数の文字列を検索して置換するSUBSTITUTE|エクセル入門(2024-01-03)
いくつかの数式の計算中にリソース不足になりました。|エクセル雑感(2023-12-28)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.RangeとCellsの使い方|VBA入門
4.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
5.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
6.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
7.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
8.並べ替え(Sort)|VBA入門
9.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
10.Findメソッド(Find,FindNext,FindPrevious)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ