ユーザーフォーム入門
標準モジュールとフォーム間のデータ受け渡しⅠ

Excelマクロのユーザーフォームの基礎、エクセルVBAの入門解説
最終更新日:2019-12-15

第9回.標準モジュールとフォーム間のデータ受け渡しⅠ


ユーザーフォーム入門として基礎から解説します。
フォームが起動された時、起動したシートのアクティブセルの行数を知る方法について解説します。


前回までに作成したVBA

標準モジュール
Sub FormShow()
  frmSample.Show
End Sub

フォームモジュール
Private Sub UserForm_Initialize()
  Dim i As Long
  With Worksheets("顧客マスタ")
    i = ActiveCell.Row
    Me.txtコード.Text = .Cells(i, 1)
    Me.txt漢字名称.Text = .Cells(i, 2)
    Me.txtカナ名称.Text = .Cells(i, 3)
  End With
End Sub

Private Sub btnOk_Click()
  Dim lastRow As Long
  With Worksheets("顧客マスタ")
    lastRow = .Cells(.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row + 1
    .Cells(lastRow, 1) = Me.txtコード.Text
    .Cells(lastRow, 2) = Me.txt漢字名称.Text
    .Cells(lastRow, 3) = Me.txtカナ名称.Text
  End With
  Unload Me
End Sub

以上でした。
正しく動作していますが、ActiveCell.Row これが・・・
シート名が固定なのは、まあ良しとしても、
フォームモジュール側で、ActiveCell.Row、これを使うのはちょっと面白くない感じです。

フォーム側でアクティブセルの行数を知る方法

フォームが起動された時、起動したシートのアクティブセルの行数を知る事が出来れば良いのです。
その方法は何通りかあり、バリエーションを考えたら無数にありますが、
以下のパターンを把握すれば良いでしょう。

1.シートのセルを使う
2.標準モジュールのグローバル変数を使う
3.標準モジュールからフォームのコントロールを操作する
4.Subプロシージャーの引数を使う
5.Functionプロシージャーの戻り値を使う


単純に、フォームモジュールと標準モジュールのデータ受け渡しとしては、
フォームにPublic変数やPublicプロパティを定義して、そこで設定する事も可能です。
しかし、今回のような場合は、
UserForm_Initializeで初期化されてしまうので、この方法は使えません。

1.は前回作成したものとほぼ同じ意味なので解説は省略します。
2.3.は、変数を定義する場所の違いだけですが、
使い方に若干の違いがありますので、それぞれ参考コードで解説します。

そして、4.5.は、なかなか解説している書籍・サイトがないでしょうから、
次回に少し詳しく解説する予定です。

では、今回は、2.3.の2通りの解説をします。

標準モジュールのグローバル変数を使う

まずは、標準モジールから、

Option Explicit
Public ActiveRow As Long
Sub FormShow()
  ActiveRow = ActiveCell.Row
  frmSample.Show
End Sub

Publice ActiveRow As Long
このように、グローバル変数を定義し、この変数に値を入れて受け渡しします。

そして、フォームモジュールでは、

Private Sub UserForm_Initialize()
  Dim i As Long
  With Worksheets("顧客マスタ")
    i = ActiveRow
    Me.txtコード.Text = .Cells(i, 1)
    Me.txt漢字名称.Text = .Cells(i, 2)
    Me.txtカナ名称.Text = .Cells(i, 3)
  End With
End Sub

ActiveRow
これは、省略せずに書くと、
Module1.ActiveRow
モジュール名.変数
このように書きますが、モジュール名は省略しても良いでしょう、
ただし、同一変数が他のモジュールに無い事が大前提です。

標準モジュールからフォームのコントロールを操作する

まずは、標準モジュールから、

Sub FormShow()
  Dim i As Long
  i = ActiveCell.Row
  frmSample.txtコード = Cells(i, 1)
  frmSample.txt漢字名称 = Cells(i, 2)
  frmSample.txtカナ名称 = Cells(i, 3)
  frmSample.Show
End Sub

このように、標準モジュール側からフォームのコントロールに取得・設定することも可能です。

この場合は、今回の処理内容ではフォームの、
UserForm_Initialize
ここでは何も処理する事がなくなりますね。



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