第10回.標準モジュールとフォーム間のデータ受け渡しⅡ
ユーザーフォーム入門として基礎から解説します。
2.標準モジュールのグローバル変数を使う
3.標準モジュールからフォームのコントロールを操作する
4.Subプロシージャーの引数を使う
5.Functionプロシージャーの戻り値を使う。
では、いよいよ4.5.を解説しましょう。
ここが、本題です。
Subプロシージャーの引数を使う
Option Explicit
Private ActiveRow As Long
Public Sub doModal(ByVal argRow As Long)
ActiveRow = argRow
With Worksheets("顧客マスタ")
Me.txtコード.Text = .Cells(ActiveRow, 1)
Me.txt漢字名称.Text = .Cells(ActiveRow, 2)
Me.txtカナ名称.Text = .Cells(ActiveRow, 3)
End With
Me.Show
End Sub
プロシージャー名のdoModalのModalは、
フォーム表示(モーダル)方法の名称よりとっています。
モーダル・モードレスについては、以下で解説しています。
標準モジュールでは、
Sub FormShow()
Call frmSample.doModal(ActiveCell.Row)
End Sub
要点としては、
Functionプロシージャーの戻り値を使う
これらを標準モジュールで判断してみましょう。
Option Explicit
Private ActiveRow As Long
Private blnOk As Boolean
Public Function doModal(ByVal argRow As Long) As Boolean
ActiveRow = argRow
With Worksheets("顧客マスタ")
Me.txtコード.Text = .Cells(ActiveRow, 1)
Me.txt漢字名称.Text = .Cells(ActiveRow, 2)
Me.txtカナ名称.Text = .Cells(ActiveRow, 3)
End With
blnOk = False
Me.Show
doModal = blnOk
End Function
Private Sub btnOk_Click()
Dim lastRow As Long
With Worksheets("顧客マスタ")
lastRow = .Cells(.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row + 1
.Cells(lastRow, 1) = Me.txtコード.Text
.Cells(lastRow, 2) = Me.txt漢字名称.Text
.Cells(lastRow, 3) = Me.txtカナ名称.Text
End With
blnOk = True
Unload Me
End Sub
Private Sub btnCancel_Click()
blnOk = False
Unload Me
End Sub
そして、標準モジュールで、
Sub FormShow()
If frmSample.doModal(ActiveCell.Row) = True Then
MsgBox "「OK」が押されました。"
Else
MsgBox "「閉じる」が押されました。"
End If
End Sub
最初のSubだったdoModalをFunctionに変更しただけですね、
これに伴い、ボタンの判断をする為に、
Private blnOk As Boolean
この変数を使うようにしました。
Unload Me
この後でフォームのコントロールを参照するのは、本当は問題があります。
上記では問題なく動きますが、やはり、あまり良くありません。
そこで、
Unload Me
この代わりに、
Me.Hide
(Hideはフォームを非表示にしてShowの次のステートメントに進みます)として、
標準モジュールに戻ってから、Unloadした方が良いでしょう。
Option Explicit
Private ActiveRow As Long
Private blnOk As Boolean
Public Function doModal(ByVal argRow As Long) As Boolean
ActiveRow = argRow
With Worksheets("顧客マスタ")
Me.txtコード.Text = .Cells(ActiveRow, 1)
Me.txt漢字名称.Text = .Cells(ActiveRow, 2)
Me.txtカナ名称.Text = .Cells(ActiveRow, 3)
End With
blnOk = False
Me.Show
doModal = blnOk
End Function
Private Sub btnOk_Click()
Dim lastRow As Long
With Worksheets("顧客マスタ")
lastRow = .Cells(.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row + 1
.Cells(lastRow, 1) = Me.txtコード.Text
.Cells(lastRow, 2) = Me.txt漢字名称.Text
.Cells(lastRow, 3) = Me.txtカナ名称.Text
End With
blnOk = True
Me.Hide
End Sub
Private Sub btnCancel_Click()
blnOk = False
Me.Hide
End Sub
Sub FormShow()
If frmSample.doModal(ActiveCell.Row) = True Then
MsgBox "「OK」が押されました。"
Else
MsgBox "「閉じる」が押されました。"
End If
Unload frmSample
End Sub
標準モジュールとフォーム間のデータ受け渡しについて
どれが良いと言う事もありませんし、
実現したい処理に応じて、これらの方法を組み合わせることも必要になれます。
最も簡単で最も確実なのは、2.になります。
ただし、
プログラムの品質を考えた時、グローバル変数を多用するのは避けたいところですので、
どの方法で実装するかについては良く検討してください。
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第12回.リストボックス(ListBox)の追加
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第16回.アクティブコントロールに色を付ける
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