最終行・最終列の取得方法(End,CurrentRegion,SpecialCells,UsedRange)
エクセルの表をマクロVBAで扱う時は、
データ部分の先頭から最終行までの、開始列から最終列まで処理する事が多いでしょう。
1行目に見出しがあれば、2行目から
1列目に見出しがあれば、2列目から
最終行取得の基本:手動ではCtrl + ↑、VBAではCells(1, 1).End(xlDown)
Ctrl + ↓
これで、A11に移動できます。
Cells(1, 1).End(xlDown)
になります。
Ctrl + ↑
とやれば、A11に移動できます。
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp)
になります。
は、シートの行数になります。
2007以降なら1048576です、2003なら65536です。
Directionは、
xlDown : 下へ
xlToLeft : 左へ
xlToRight : 右へ
xlUp : 上へ
ただし、
や
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp)
これは、最期のセルを表しています、つまり最期のセルのRangeオブジェクトになります。
や
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
これで、データの最後の行数を取得できます。
Cells(1, 1).End(xlDown).Rowは11と同じだと言う事です。
または
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
通常は、
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
これを使用します。
手動のCtrl+↑でも同じですが、可視セル(見えているセル)の最終行となってしまいます。
そのような方法ができない場合は、下記の別の方法を使用してください。
最終列の取得
や
シートの最終列(シートの一番右)のセルから、Ctrl + ←
または
Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Column
特殊な表の場合
これでは、9になってしまいます。
これなら、10になりますが、
・SpecialCells(xlCellTypeLastCell)
・UsedRange
・Findメソッド
CurrentRegion
または、
Range("B2").CurrentRegion.Row + Range("B2").CurrentRegion.Rows.Count - 1
これでは見ずらいので、Withでまとめると
With Range("B2").CurrentRegion
最終行 = .Item(.Count).Row
End With
または、
With Range("B2").CurrentRegion
最終行 = .Row + .Rows.Count - 1
End With
最初のコードは、アクティブセル領域の最後のセルの行位置を取得しています。
次のコードは、アクティブセル領域の開始行位置とアクティブセル領域の行数を足しています。
ただし、CurrentRegionなので、途中に空白行(何も入っていない行)がある場合は、
そこまでの行になってしまいます。
SpecialCells(xlCellTypeLastCell)
つまり、シートの使っているセルの最終位置を取得しています。
上の表なら、12となります。
(表範囲以外には何のデータもはいっていないとしてです。)
行高を規定高から変更しているだけでも、その行まで範囲に入ってしまいます。
つまり、シートの下の方で行高だけを変更していても、その行まで範囲に含まれてしまうという事です。
従って、注意しないと大きな範囲を処理するVBAとなってしまい、処理速度のとても遅いマクロになってしまいます。
UsedRange
または
ActiveSheet.UsedRange.row + ActiveSheet.UsedRange.Rows.count - 1
これでは見ずらいので、Withでまとめると
With ActiveSheet.UsedRange
最終行 = .Item(.Count).Row
End With
または、
With ActiveSheet.UsedRange
最終行 = .Row + .Rows.Count - 1
End With
使われたセル範囲の開始行位置と使われたセル範囲の行数を足しています。
UsedRangeは、シートの指定が必須となります。
ただし、
以下の注意点を良く確認してください、使うには少々注意が必要です。
行高を規定高から変更しているだけでも、その行まで範囲に入ってしまいます。
さらに、行を非表示行にしていても、その非表示行が範囲に含まれてしまいます。
つまり、
シートの下の方で行高だけを変更していても、罫線を引いていても、非表示にしていても、
これら、規定の状態から変更しているだけで、その行まで範囲に含まれてしまうという事です。
従って、注意しないと大きな範囲を処理するVBAとなってしまい、処理速度のとても遅いマクロになってしまいます。
※注意してください
「エクセル VBA」でググってトップの方に表示されるようなサイトでも以下のVBAコードがでている場合がありますです。
これでは、上記の表の場合、11となってしまいます。
つまり、UsedRangeなので、
未使用の行が先頭にある場合は、その行数が含まれなくなってしまうのです。
Findメソッド
最終行 = ActiveSheet.Cells.Find("*", , xlFormulas, , xlByRows, xlPrevious).Row
名前付き引数を使って書くと、
最終行 = Cells.Find(What:="*", LookIn:=xlFormulas, SearchOrder:=xlByRows, SearchDirection:=xlPrevious).Row
あらゆる文字("*")を下から上へ(xlPrevious)へ探しています。
行方向なので(xlByRows)、列なら(xlByColumns)になります。
CellsはUsedRangeでも良いです。
ただし、複数の表(別々の連続セル範囲)があるシートでは、表を指定することはできません。
このような場合はCurrentRegionを使ってください。
また、Findメソッドは指定オプションがシート操作とリンクしている点については注意してください。
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