VBAサンプル集
スピルに対応したXSPLITユーザー定義関数(文字区切り)

ExcelマクロVBAの実用サンプル、エクセルVBA集と解説
最終更新日:2020-03-21

スピルに対応したXSPLITユーザー定義関数(文字区切り)


エクセルにスピルが登場して、VBAのユーザー定義関数の用途も広がってきていると思います。
そこで、文字列を指定した記号・文字列で区切て、セルに出力するユーザー定義関数を作ってみましょう。
VBAには Split関数 がありますが、これをワークシート関数として使えるようにしてみましょうという事です。

Split関数は、各要素(区切文字)ごとに区切られた文字列から1次元配列を作成します。Split関数 Split(expression[,delimiter[,limit[,compare]]]) expression 必ず指定します。文字列と区切り文字を含んだ文字列式を指定します。

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

スピルについては、以下を参照してください。

スピルについて|エクセル入門
2019年にOffice365のExcelに実装された革新的な機能としてスピルがあります。数式を入力したセルから結果があふれて隣接したセルにも出力されるのがスピルです。今までは数式を入れたセルにしか結果を出せませんでしたが、スピルでは隣接するセルにまで結果が表示されます。

スピルでVBAの何が変わったか|VBA技術解説
Office365にスピルが登場し、2020年1月にはXLOOKUPもリリリースされ、ますますエクセルが便利になってきています。スピルは、これまでにないくらい大幅な機能変更と言えるでしょう。スピルの一般的な説明については以下を参照してください。

区切り位置ウィザード

「データ」→「区切り位置」

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT


ワークシートの関数で文字区切りする場合

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

=MID(A1,
UNIQUE(IFERROR(FIND(",",","&A1,SEQUENCE(1,LEN(A1))),1),TRUE),
UNIQUE(IFERROR(FIND(",",A1,SEQUENCE(1,LEN(A1))),LEN(A1)+1),TRUE)
-UNIQUE(IFERROR(FIND(",",","&A1,SEQUENCE(1,LEN(A1))),1),TRUE))


かなり複雑な数式になっていますが、

UNIQUE(IFERROR(FIND(",",","&A1,SEQUENCE(1,LEN(A1))),1),TRUE)


1 4 8 13
このような配列になります。
つまり、各区切りの先頭位置の数値配列です。

UNIQUE(IFERROR(FIND(",",A1,SEQUENCE(1,LEN(A1))),LEN(A1)+1),TRUE)
3 7 12 18
このような配列になります。
つまり、各区切りの終り位置の数値配列です。

結局、
=MID(文字列,各区切りの先頭位置,各区切りの終り位置-各区切りの先頭位置)

この数式は、縦にスピルさせられません。
そして、もちろん文字区切りの数式は様々な方法が考えられます。
上記数式は、スピル後の新関数を使った一例になります。

※追記
上記数式は、最後がカンマで終わっていると、最後の列に#N/Aが出力されてしまいます。
これに対処するには、全体をIFERRORで囲んでください。
IFERROR(MID(・・・),"")


では、いよいよ本題の「スピルに対応したXSPLITユーザー定義関数(文字区切り)」に入ります。


ユーザー定義関数のVBAコード



Function XSPLIT(範囲, 区切り文字)
  Dim i As Long, j As Long
  Dim rngAry, tmpAry
  Dim rtnAry() As String
  
  If IsArray(範囲) Then
    rngAry = 範囲
  ElseIf 範囲.Rows.Count > 1 Then
    rngAry = 範囲.Value
  Else
    ReDim rngAry(1 To 1, 1 To 1)
    rngAry(1, 1) = 範囲.Value
  End If
  
  ReDim rtnAry(1 To UBound(rngAry, 1), 1 To 1)
  
  For i = LBound(rngAry, 1) To UBound(rngAry, 1)
    tmpAry = Split(rngAry(i, 1), 区切り文字)
    If UBound(tmpAry) + 1 > UBound(rtnAry, 2) Then
      ReDim Preserve rtnAry(1 To UBound(rtnAry, 1), _
                 1 To UBound(tmpAry) + 1)
    End If
    For j = LBound(tmpAry) To UBound(tmpAry)
      rtnAry(i, j + LBound(rngAry, 1)) = tmpAry(j)
    Next
  Next
  
  XSPLIT = rtnAry
End Function

スピル対応のユーザー定義関数作成時の注意点

前半は、引数が配列の場合や、1セル(配列にならない)の場合にも対応するためのコードとなっています。

戻す配列は、1次元、2次元、要素数一定のJAG配列になります。
上記VBAでは、2次元配列にしているので、要素数を随時最大数にRedimしています。

配列のデータ型ですが、
tnAry() As String
ここは、型を指定せずにVariantにしてしまうと空欄が0で出力されてしまいます。

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

XSPLIT関数の使用例

普通の関数と同様に使えます。

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

=XSPLIT(A1:A5,",")

指定できる範囲は、縦方向(行方向)だけになります。
横方向(列方向)に区切った文字を出力しているので、当然なのですが・・・
もちろん、
引数を増やすか、範囲の縦横を自動判別して戻す配列の縦横を自動的に作成することも可能です。
ですが、ワークシート関数には便利な関数が用意されています。
TRANSPOSE関数があるので、これを使えばこのVBAでも対応できてしまいます。

=TRANSPOSE(XSPLIT(TRANSPOSE(A1:E1),","))

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

データ件数が10万件くらいなら、ほとんど一瞬でスピルします。
このようなスピルは非常に高速に処理されていると思います。

スピルしないエクセルで使う場合

文字区切りで展開される範囲をあらかじめ選択して、配列数式で入力すれば使う事が出来ます。

マクロ VBA スピル 文字区切り SPLIT

=XSPLIT(A1:A5,",")
これを、Ctrl+Shift+Enterで入力してください。



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