第10回.計算結果を入れる
前回作成した100マス計算の回答部分を、マクロで計算して入れてみましょう。
従って、マクロの記録は使いません。
タイトルと違うね(笑)、でもね、マクロの記録では出来ない事が多いのです。
だから、VBAを覚える必要があるのです。
では、プログラムを提示してから解説しましょう。
元のプログラムは、前回作成した、「.COPY」を使わずに値のコピーをするプログラムです。
Sub Macro1()
Dim i
Dim j
i = 2
Do While i <=
11
j = 2
Do While j <= 11
Cells(i, j) = Cells(i,
1) * Cells(1, j)
j = j + 1
Loop
i = i +
1
Loop
End Sub
太字の部分のみ変更しています。
計算結果を入れるセルが、
Cells(i, j)
ここには、同行の1列目のセルと同列の1行目のセルの掛け算を入れる訳です。
これが、Cells(i, 1) * Cells(1, j)
になります。
Cells(i, 1)は、i行の1列目のセル
Cells(1,
j)は、1行のj列目のセル
これで、一瞬で100マスに計算結果が埋められます。
100マスの計算結果を消してから実行してみて下さい。
四則演算の演算子は、ワークシートと同様です。
+:足し算
-:引き算
*:掛け算
/:割り算
また、計算順序もワークシートと同様です。
*/が先に計算され、次に+-となります。
しかし、計算順序は、()で必ず明記するようにしましょう。
計算をワークシート上で行い、その結果の値を取り出して、再度セルに入れる方法もあります。
第8回と、第9回で作成したマクロの組み合わせになります。
Sub Macro2()
Range("B2:K11").FormulaR1C1 =
"=RC1*R1C"
Sheets("Sheet1").Range("B2:K11").Copy
Sheets("Sheet2").Range("B2").PasteSpecial
_
Paste:=xlPasteValues, Operation:=xlNone, SkipBlanks:=False,
Transpose:=False
End Sub
この解説は既にしましたね。
Range("B2:K11").FormulaR1C1 =
"=RC1*R1C"
絶対参照と相対参照の組み合わせです。
RC1は、同じ行の、1列目のセル
R1Cは、1行目の、同じ列
Sheets("Sheet1").Range("B2:K11").Copy
これで、セル範囲をクリップボードにコピーします。
Sheets("Sheet2").Range("B2").PasteSpecial
_
Paste:=xlPasteValues, Operation:=xlNone, SkipBlanks:=False,
値の貼り付けです。
では、2重ループを使って、セルを1つずつ処理してみましょう。
Sub Macro3()
Dim i
Dim j
i = 2
Do While i <=
11
j = 2
Do While j <= 11
Cells(i,
j).FormulaR1C1 = "=RC1*R1C"
Cells(i, j).Value = Cells(i,
j).Value
j = j + 1
Loop
i = i + 1
Loop
End
Sub
注意点は、太字の部分だけです。
Cells(i, j).FormulaR1C1 =
"=RC1*R1C"
これで、計算式をセルに入れています。
入れた直後に、ワークシートで再計算されます。
Cells(i, j).Value = Cells(i,
j).Value
これで、値を取り出し、同じセルに入れ直しています。
Cells(i, j).FormulaR1C1 = "=RC1*R1C"
この直後、
Cells(i, j).FormulaR1C1には、"=RC1*R1C"が入っており、
Cells(i, j).Valueには、その計算結果が入っています。
そして、Valueに値を入れた時点で、FormulaR1C1も計算式ではなく、数値が入ることになります。
上のような、マクロの途中で、その内容(セルや変数)を確認したい場合は、
VBE(Visual Basic Editor)のイミディエイトを使います。
その方法については、次回に説明します。
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第14回.行列を入れ替えて貼り付け
第15回.いろいろな消去
第16回.行の挿入・削除
第17回.並べ替え
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