第11回.イミディエイトで値の確認
前回、FormulaR1C1とValueの違いを説明しましたが、
それを確認するための方法を紹介します。
これはデバックで使用するツールになります。
デバッグとは、
プログラムの誤り(バグと呼ばれる)を探し、取り除くこと。
マクロの実行途中で、セルや変数の値を確認することができます。
VBE(Visual Basic Editor)のイミディエイトを使います。
詳細は、「コーディングとデバッグ 」に記載してありますので、参考にして下さい。
以下、今回の、FormulaR1C1とValueの確認方法を簡単に説明します。
VBE(Visual Basic Editor)で、イミディエイトウインドウを表示します。
「表示」→「イミディエイト ウインドウ」、ショートカットは、Ctrl+Gです。
Cells(i, j).FormulaR1C1 = "=RC1*R1C"
の行を選択し、プレークポイントを設定します。
「デバッグ」→「ブレークポイントの設定/解除」、ショートカットはF9です。
このようになります。
ブレークポイントを設定した行は、茶色の反転表示になります。
左の●の部分をクリックすることでも、ブレークポイントの設定/解除が出来ます。
では、100マスの計算結果部分をすべて消去してから、マクロを実行して下さい。
ブレークポイントを設定した行が黄色になります。
この行で実行が中断しています。
この状態で、「イミイティエイト ウインドウ」を使用します。
「イミイティエイト ウインドウ」に、
?Cells(i, j).FormulaR1C1
と入力し、Enterして下さい。
行が1行先に進んだだけですね。
これは、値が空白だということです。
?Cells(i, j).Value
と入力し、Enter。
これも同様に、値が空白です。
こんな感じになったはずです。
つまり、
Cells(i, j).FormulaR1C1
も
Cells(i, j).Value
も値が入っていないということになります。
では、次の行に進めます。
「デバッグ」→「ステップイン」、ショートカットはF8です。
黄色の行が次に進んだはずです。
では、再度「イミイティエイト ウインドウ」に、
?Cells(i, j).FormulaR1C1
と入力し、Enter。
=RC1*R1C
と表示されます。
?Cells(i, j).Value
と入力し、Enter。
14
と表示されます。
こんな感じで表示されたはずです。
つまり、
Cells(i, j).FormulaR1C1
には、計算式、=RC1*R1C
が入っていて、
Cells(i, j).Value
には、計算結果の値、 14 が入っているということです。
では、さらに、
?Cells(i, j)
と入力し、Enter。
14
と表示されますよね。
つまり、Cells(i, j)だけで、
.Valueや.FormulaR1C1を省略した場合は、
.Valueになると覚えておいて下さい。
確認が終わったら、ブレークポイントを解除します。
ブレークポイントの行を選択し、F9
または、左の●の部分をクリックします。
または、Ctrl+Shift+F9で全てのブレークポイントがすべて解除されます。
デバッグについては、今後も機会があれば紹介していきます。
.Valueと.FormulaR1C1の違いを理解できたでしょうか。
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