VBAサンプル集
オセロを作りながらマクロVBAを学ぼう№10

ExcelマクロVBAの実用サンプル、エクセルVBA集と解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2017-12-06

オセロを作りながらマクロVBAを学ぼう№10


ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第10回です。


前回は、PCが自動で打つ機能を実装しました。
強さはともかく、とにかくPCが勝手に売ってくれるようになりました。

ですが、

あまりにも弱すぎる・・・
超初心者にも勝てません・・・

さすがに、これでは仕方ないので、
今回は、置く場所を少し厳選してもう少し強くします。


オセロを少しやった事があれば、
盤面のどこを確保すれば良いかは、自然と分かってくるものです。
そうです、
四隅の角に置いた石は、絶対に返されない。
つまり、この四隅をとれば勝ちやすくなります。
これは、初心者でも知っていることでしょう。
そして、そこから考えを広げると、
四隅を取りやすくなるように打っていくことが良いと分かります。
四隅をとるには、その隣の場所に相手に打たせることが必要になります。
四隅のとなりに、相手の石が無ければ四隅は取れないからです。

マクロVBAサンプル
マクロVBAサンプル

このような形になれば四隅を取ることが出来ます。
逆に言うと、
上図の白石の位置には、なるべく打つべきではないという事になります。

このような考え方から、64マスの盤面に置いて、各場所の良し悪しを数値かします。
以下はこれを数値化したものです。

マクロVBAサンプル

この数値が絶対的なものというわけではありません。
オセロをプログラミングしようとした時には、調べれば直ぐに出てくるものです。
四隅が高く、その隣が低い数値になっています。
マイナス数値になっているのは、
中盤までは、むやみに石を取らない方が良いという理由です。
ですが、私としては、これはかなり序盤だけの話で、
中盤からは、もっと違った要素の方が大きく影響するのではないかと考えています。
もちろん、高段者レベルの話ではなく、
あくまで、普通にオセロを楽しむ程度(つまり私自身)の場合の話です。
その辺は、次回以降に考えていきます。

今回は、とにかく悪い場所に置かないように、
打てる場所の中から、上図の数値が最も高い場所を選択するようにします。


シートの用意
シートを挿入し、シート名を、
重み
にします。

マクロVBAサンプル



打つ場所の判定
打てる場所の中から、重み数値の高い場所を選びます。

Function 次手候補() As Range
  Dim ix As Long
  Dim ix2 As Long
  Dim myRng As Range
  Dim aryRng() As Range
  Dim aryRng2() As Range
  Dim aryWait() As Long
  Dim maxWait As Long
  With TargetSheet
    ix = 0
    maxWait = -999
    For Each myRng In .Range("盤面")
      If is置ける全方向(myRng, True) Then
        ReDim Preserve aryRng(ix)
        ReDim Preserve aryWait(ix)
        Set aryRng(ix) = myRng
        aryWait(ix) = Worksheets("重み").Range(myRng.Address)
        If maxWait < aryWait(ix) Then
          maxWait = aryWait(ix)
        End If
        ix = ix + 1
      End If
    Next
    ix2 = 0
    For ix = 0 To UBound(aryRng)
      If aryWait(ix) = maxWait Then
        ReDim Preserve aryRng2(ix2)
        Set aryRng2(ix2) = aryRng(ix)
        ix2 = ix2 + 1
      End If
    Next
    Randomize
    ix = Int(Rnd * (UBound(aryRng2) + 1))
    Set 次手候補 = aryRng2(ix)
  End With
End Function

前回からは、大幅に変更となっています。

置ける場所の重みを配列(aryWait)に入れて、
その重みの最大値(maxWait)のみを取り出して、別の配列(aryRng2)に入れています。
つまり、重み数値の低い、つまり悪手を除いて、置ける場所の配列を再作成しているという事です。
そして、同値がありえるので、その中から前回同様にランダムに選出します。



今回の実装での強さレベルは、
超々初心者なら勝てるかもしれないという程度になっています。
初心者が、反面教師的な使い方のつもりなら、そこそこ遊べるかと言ったくらいでしょうか。

次回は、
初心者では勝てないかもしれない・・・
私も、油断すると負けてしまうくらいのレベルに使用と思っています。
ただし、これには、かなり多くのVBAコードが必要になります。


№11へ続きます。
マクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第11回です。前回の石を置く場所に重みを付けることで、超々初心者なら勝てるかもしれないというレベルにはなりました。ですが、ある程度オセロをやった事のある人なら、まあ負けることはないでしょう 今回は、自分の打つ場所ではなく、

全体の目次
はじめに
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながら、マクロVBAを学んで行きましょう。目的は、マクロVBAの学習であり、思考を整理しVBAでプログラミングする学習です。従って、強いソフトを作ることが目的ではありませんので、最近流行のAIなんちゃら…なんていうのは考えるつもりはありません。
№1.シートの用意と標準モジュールの挿入
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第1回です。まずはシートを用意しなければなりません、このシートの作り方で、その後の手間が随分と変わってきますので、しっかりと作ります。とはいえ、まずは一般的な感じで作ってみます、今後必要に応じて追加・変更していきます。
№2.ブックを開いたときの処理と初期配置
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第2回です。前回でシートの準備と標準モジュールを挿入しましたので、今回からは、マクロVBAをどんどん書き足していきます。まずは、イベントプロシージャーを作っていきます。
№3.自分の石を置ける場所の判定の整理
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第3回です。いよいよ自分の石を置いて、相手の石をひっくり返す処理に進むのですが、その前に、そもそも自分の石を置ける場所はどこなのか…。クリックしたセルは、自分の石を置いて良いセルなのかの判定が必要です。
№4.自分の石を置ける場所の判定の実装
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第4回です。石を置ける場所の定義を、前回は文章で書きました、今回は、それをもとにマクロVBAのプログラミングをしていきます。考え方は決定しているので、後はVBAに翻訳(コーディング)していくだけです。
№5.シート機能を拡張して今後の準備
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第5回です。前回で石を置ける場所の判定が完成しましたので、これからは、ゲームとしての機能を一つずつ追加していきます。まずは、石を置ける場所の色を変更してわかりやすくしてみます。
№6.黒石白石を交互に打って相手の石をひっくり返す
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第6回です。いよいよ今回は、黒石白石を交互に打てるようにします。もちろん、相手の石を挟んでいる場所は、自分の石に取り替えます。
№7.パス確認、終局確認、石数取得
マクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第7回です。前回までで、黒石白石を交互に打つことができるようになりましたが、まだまた不都合な点があります。石を打つ場所がない時に、パスが出来ないから先に進まない… 全部石が埋まっても、何も変化がない… そもそも、どっちが勝っているのかもわからない……
№8.石を置ける場所の表示とアニメーション
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第8回です。前回までで大分ゲームらしくなってきました。そろそろ、PC対戦の機能を入れたいところですが、今回は、はPC対戦の機能を入れる前に、気になる細かい部分を変更しておきます。
№9.PC対戦の実装
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第9回です。前回までで人が打つのであれば不自由のない機能が実装できたと思います。さて、ここからはPC対戦の機能を入れていきます。
№10.置く場所に重みを付けて少しだけ強く
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第10回です。前回は、PCが自動で打つ機能を実装しました。強さはともかく、とにかくPCが勝手に売ってくれるようになりました。
№11.相手の応手を評価してさらに強く
マクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第11回です。前回の石を置く場所に重みを付けることで、超々初心者なら勝てるかもしれないというレベルにはなりました。ですが、ある程度オセロをやった事のある人なら、まあ負けることはないでしょう 今回は、自分の打つ場所ではなく、
№12.PC対PCの対戦で強さを確認
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第12回です。前回は、相手の応手を判定して、自分の置く場所を決められるようにしました。オセロソフトとしては、そこそこの強さになりました。
№13.パラメーターと重みを調整してさらに強く
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第12回です。前回は、PC1からPC5までの5段階の状態で、総当り対戦で強さを判定しましたが、PC5が最も強い事が確認出来ました。それでもPC5では、まだまだ、ある程度オセロをやった事のある人には勝てないレベルです。
№14.やはり「待った」が欲しい
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第14回です。前回で、6段階の強さのPCオセロが完成しました、一番強いPC6でも、まだまだそれほどの強さとは言えませんが、初心者の人なら苦戦するでしょうし、私も油断すれば負けてしまうくらいの強さにはなっています。
№15.棋譜で対局を再現
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第15回です。棋譜が扱えるようになり、「待った」の実装も出来ました。棋譜が扱えるようになったので、今回は、対局を再現できるようにします。
№16.これまでを振り返りつつ全体のまとめ
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第16回です。15回に渡って、オセロ作成をしてきました、マクロVBAコードはかなりの量になっています。今回は最終回として、これまでを振り返ってみます。


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