VBAサンプル集
オセロを作りながらマクロVBAを学ぼう№2

ExcelマクロVBAの実用サンプル、エクセルVBA集と解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2017-12-06

オセロを作りながらマクロVBAを学ぼう№2


ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第2回です。


前回でシートの準備と標準モジュールを挿入しましたので、
今回からは、マクロVBAをどんどん書き足していきます。

まずは、イベントプロシージャーを作っていきます。
イベントプロシージャーとは、
人がマウスやキーボードで何らかのアクション(これがイベント)した時に、それに呼応して自動的に動作するプロシージャーです。


ブックを開いたときの処理処理
ブックを開いたときに、以下の設定を行います。
・「オセロ」シートを選択
・シートを保護を解除(シートが保護されている場合の対策)
・シート全体のセルをロック
・スクロールエリアを、B2~I9に設定
・コンボボックスにリストを追加

・シートを保護

マクロVBAのサンプル画像

ThisWorkBookをダブルクリック

マクロVBAのサンプル画像

WorkBookをクリック

マクロVBAのサンプル画像

Workbook_Openのプロシージャーが追加されます。

マクロVBAのサンプル画像

ちなみに、Workbook_Open以外のイベントを追加したい場合は、
Workbook_Openは消してしまって構いません。
その後に、追加したいイベントを選択します。

マクロVBAのサンプル画像

今回は、Workbook_Openが目的のプロシージャーなので、そのま使います。

Private Sub Workbook_Open()
  With Sheet1
    .Select
    .Unprotect
    .Cells.Locked = True
    .ScrollArea = "B2:I9"
    With .cmb1
      .Clear
      .AddItem "あなた"
      .AddItem "PC"
    End With
    With .cmb2
      .Clear
      .AddItem "あなた"
      .AddItem "PC"
    End With
    .Protect
  End With
End Sub

With Sheet1
これでシートを指定します。
シート指定は、シートのオブジェクト名をそのまま使います。

マクロVBAのサンプル画像

この、Sheet1(オセロ)のSheet1がシートのオブジェクト名になります。

.Cells.Locked = True
シート全体のセルを保護状態にします。

.ScrollArea = "B2:I9"
ここで指定した範囲外は、セル選択ができなくなります。
また、間違って、シートの端っこにスクロールしてしまう事も回避できます。

With .cmb1
これでコンボボックスを指定し、
.Clear
念の為、リストをクリア
.AddItem "あなた"
.AddItem "PC"
リストに必要なアイテムを追加します。

とりあえずは、これくらいやっておけば良いでしょう。
ゲームを作っていくうえで、この他にも設定すべきことが出てくるかもしれませんが、
それは、出てきた時点で随時追加していきます。

Workbook_Openを実行(F5)して動作を確認してください。



「対戦開始」ボタンを押したときの初期配置
ボタンが押されたときに以下の処理をします。
・B2~I9をクリア
・E5,F6に黒石
・F5,E6に白石を配置


実際には、
L2セルを黒石として、文字とFontをコピー
L3セルを白石として、文字とFontをコピー

まずは、プロシージャーを作成します。
シートの保護を解除して、
開発のデザインモードがONにしてから、

マクロVBAのサンプル画像

「対戦開始」のボタンをダブルクリックすると、

マクロVBAのサンプル画像

このように、Sheet1(オセロ)のモジュールの中に、プロシージャーが作成されます。

これはボタンのClickイベントプロシージャーになります。
ボタンをクリックすると自動的に動き出すプロシージャーという事です。

このプロシージャーの中に、マクロVBAの記述を追加します。

Private Sub btn1_Click()
  Unprotect
  Range("B2:I9").ClearContents
  Range("E5,F6") = Range("L2")
  Range("E5,F6").Font.Size = Range("L2").Font.Size
  Range("E5,F6").Font.Color = Range("L2").Font.Color
  Range("F5,E6") = Range("L3")
  Range("F5,E6").Font.Size = Range("L3").Font.Size
  Range("F5,E6").Font.Color = Range("L3").Font.Color
  Protect
End Sub

Range("B2:I9").ClearContents
盤全体をクリア

Range("E5,F6") = Range("L2")
黒石の文字のコピーです。

Range("E5,F6").Font.Size = Range("L2").Font.Size
Range("E5,F6").Font.Color = Range("L2").Font.Color
黒石のフォントサイズと色をコピーしています。

白石も同様にL3からコピーします。


ここまでは準備段階でした。
次回からは、ゲームらしい機能を追加していきます。
石を置ける場所を判定出来ないとゲームが成立しません。
いきなり重要な判定の作成に進みます。



№3へ続きます。
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第3回です。いよいよ自分の石を置いて、相手の石をひっくり返す処理に進むのですが、その前に、そもそも自分の石を置ける場所はどこなのか…。クリックしたセルは、自分の石を置いて良いセルなのかの判定が必要です。

全体の目次

はじめに
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながら、マクロVBAを学んで行きましょう。目的は、マクロVBAの学習であり、思考を整理しVBAでプログラミングする学習です。従って、強いソフトを作ることが目的ではありませんので、最近流行のAIなんちゃら…なんていうのは考えるつもりはありません。
№1.シートの用意と標準モジュールの挿入
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第1回です。まずはシートを用意しなければなりません、このシートの作り方で、その後の手間が随分と変わってきますので、しっかりと作ります。とはいえ、まずは一般的な感じで作ってみます、今後必要に応じて追加・変更していきます。
№2.ブックを開いたときの処理と初期配置
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第2回です。前回でシートの準備と標準モジュールを挿入しましたので、今回からは、マクロVBAをどんどん書き足していきます。まずは、イベントプロシージャーを作っていきます。
№3.自分の石を置ける場所の判定の整理
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第3回です。いよいよ自分の石を置いて、相手の石をひっくり返す処理に進むのですが、その前に、そもそも自分の石を置ける場所はどこなのか…。クリックしたセルは、自分の石を置いて良いセルなのかの判定が必要です。
№4.自分の石を置ける場所の判定の実装
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第4回です。石を置ける場所の定義を、前回は文章で書きました、今回は、それをもとにマクロVBAのプログラミングをしていきます。考え方は決定しているので、後はVBAに翻訳(コーディング)していくだけです。
№5.シート機能を拡張して今後の準備
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第5回です。前回で石を置ける場所の判定が完成しましたので、これからは、ゲームとしての機能を一つずつ追加していきます。まずは、石を置ける場所の色を変更してわかりやすくしてみます。
№6.黒石白石を交互に打って相手の石をひっくり返す
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第6回です。いよいよ今回は、黒石白石を交互に打てるようにします。もちろん、相手の石を挟んでいる場所は、自分の石に取り替えます。
№7.パス確認、終局確認、石数取得
マクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第7回です。前回までで、黒石白石を交互に打つことができるようになりましたが、まだまた不都合な点があります。石を打つ場所がない時に、パスが出来ないから先に進まない… 全部石が埋まっても、何も変化がない… そもそも、どっちが勝っているのかもわからない……
№8.石を置ける場所の表示とアニメーション
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第8回です。前回までで大分ゲームらしくなってきました。そろそろ、PC対戦の機能を入れたいところですが、今回は、はPC対戦の機能を入れる前に、気になる細かい部分を変更しておきます。
№9.PC対戦の実装
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第9回です。前回までで人が打つのであれば不自由のない機能が実装できたと思います。さて、ここからはPC対戦の機能を入れていきます。
№10.置く場所に重みを付けて少しだけ強く
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第10回です。前回は、PCが自動で打つ機能を実装しました。強さはともかく、とにかくPCが勝手に売ってくれるようになりました。
№11.相手の応手を評価してさらに強く
マクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第11回です。前回の石を置く場所に重みを付けることで、超々初心者なら勝てるかもしれないというレベルにはなりました。ですが、ある程度オセロをやった事のある人なら、まあ負けることはないでしょう 今回は、自分の打つ場所ではなく、
№12.PC対PCの対戦で強さを確認
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第12回です。前回は、相手の応手を判定して、自分の置く場所を決められるようにしました。オセロソフトとしては、そこそこの強さになりました。
№13.パラメーターと重みを調整してさらに強く
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第12回です。前回は、PC1からPC5までの5段階の状態で、総当り対戦で強さを判定しましたが、PC5が最も強い事が確認出来ました。それでもPC5では、まだまだ、ある程度オセロをやった事のある人には勝てないレベルです。
№14.やはり「待った」が欲しい
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第14回です。前回で、6段階の強さのPCオセロが完成しました、一番強いPC6でも、まだまだそれほどの強さとは言えませんが、初心者の人なら苦戦するでしょうし、私も油断すれば負けてしまうくらいの強さにはなっています。
№15.棋譜で対局を再現
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第15回です。棋譜が扱えるようになり、「待った」の実装も出来ました。棋譜が扱えるようになったので、今回は、対局を再現できるようにします。
№16.これまでを振り返りつつ全体のまとめ
ExcelマクロVBAでオセロ(リバーシ)を作っていきながらマクロVBAを学ぶ第16回です。15回に渡って、オセロ作成をしてきました、マクロVBAコードはかなりの量になっています。今回は最終回として、これまでを振り返ってみます。


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