VBA練習問題
VBA100本ノック 37本目:グラフの色設定

VBAを100本の練習問題で鍛えます
公開日:2020-12-01 最終更新日:2021-02-22

VBA100本ノック 37本目:グラフの色設定


グラフの系列の一部のみ設定を変更する問題です。


ツイッター連動企画です。
ツイートでの見やすさを考慮して、ブック・シート指定等を適宜省略しています。

VBAテスト用のサンプルデータは、VBA100本ノックの目次ページ からもダウンロードできます。
マクロVBAを初心者向けの基本から上級者向けの高度な内容までサンプルコードを掲載し解説しています。エクセル関数・機能・基本操作の入門解説からマクロVBAまでエクセル全般を網羅しています。


出題

出題ツイートへのリンク

#VBA100本ノック 37本目
棒グラフの最大値と最小値を目立たせたい。
最大値を緑、最小値を赤、データラベルも追加。
データはB2開始で増減に対応し、再実行を考慮してください。
※グラフは棒グラフ作成済です。既定色は随意。
※出来上がりは添付を参照
※シートは任意、グラフはシートに1つだけ

マクロ VBA 100本ノック

マクロ VBA 100本ノック


サンプルファイルです。
https://excel-ubara.com/vba100sample/VBA100_37.xlsm
https://excel-ubara.com/vba100sample/VBA100_37.zip


VBA作成タイム

この下に頂いた回答へのリンクと解説を掲載しています。
途中まででも良いので、できるだけ自分でVBAを書いてみましょう。


他の人の回答および解説を見て、書いたVBAを見直してみましょう。


頂いた回答

解説

目的のグラフの特定要素にたどり着くには、かなり多くのオブジェクトを辿らなければなりません。
Worksheet
ChartObjects
Chart
SeriesCollection
Point
VBAでは、組み込みのオブジェクトを順に辿ることがしばしば要求されます。
マクロの記録、オブジェクトブラウザ、WEB検索を使って調べます。

Sub VBA100_37_01()
  Dim ws As Worksheet
  Set ws = ActiveSheet
  
  Dim maxVal As Double, minVal As Double
  Dim valRng As Range, rng As Range
  Set valRng = ws.Range("B1").CurrentRegion
  Set valRng = Intersect(valRng, valRng.Offset(1, 1))
  maxVal = WorksheetFunction.Max(valRng)
  minVal = WorksheetFunction.Min(valRng)
  
  Dim i As Long
  With ws.ChartObjects(1).Chart.SeriesCollection(1)
    .Interior.Color = RGB(68, 114, 196)
    .ApplyDataLabels xlDataLabelsShowNone
    For i = 1 To valRng.Count
      Select Case valRng(i)
        Case maxVal
          .Points(i).Interior.Color = vbGreen
          .Points(i).ApplyDataLabels
        Case minVal
          .Points(i).Interior.Color = vbRed
          .Points(i).ApplyDataLabels
      End Select
    Next
  End With
End Sub


このVBAはグラフの元データのセル範囲からグラフの位置を特定しています。
しかしグラフの中には元データの値が入っているので、この数値を参照することもできます。
また、色も枠線と内側の塗りつぶしを別々に指定することもできます。
これらについては記事補足にて。


補足

先のVBAでは、グラフの元データ範囲をループさせましたが、グラフの系列の中をループさせつつ値を見ていくこともできます。
色の塗り方も、枠線と中を別々の色で設定することができます。
また、データラベルの表示非表示は先のVBAはメソッドですが、プロパティもあります。

Sub VBA100_37_02()
  Dim ws As Worksheet
  Set ws = ActiveSheet
  
  Dim maxVal As Double, minVal As Double
  Dim valRng As Range, rng As Range
  Set valRng = ws.Range("B1").CurrentRegion
  Set valRng = Intersect(valRng, valRng.Offset(1, 1))
  maxVal = WorksheetFunction.Max(valRng)
  minVal = WorksheetFunction.Min(valRng)
  
  Dim i As Long, sr As Series
  Set sr = ws.ChartObjects(1).Chart.SeriesCollection(1)
  With ws.ChartObjects(1).Chart.SeriesCollection(1)
    .Format.Line.Visible = msoFalse
    .Interior.Color = RGB(68, 114, 196)
    .ApplyDataLabels xlDataLabelsShowNone
    .HasDataLabels = False
    For i = 1 To .Points.Count
      Select Case sr.Values(i)
        Case maxVal
          .Points(i).Format.Line.Visible = msoTrue
          .Points(i).Format.Line.ForeColor.RGB = vbBlack
          .Points(i).Format.Fill.ForeColor.RGB = vbGreen
          .HasDataLabels = True
        Case minVal
          .Points(i).Format.Line.Visible = msoTrue
          .Points(i).Format.Line.ForeColor.RGB = vbBlack
          .Points(i).Format.Fill.ForeColor.RGB = vbRed
          .HasDataLabels = True
      End Select
    Next
  End With
End Sub

マクロ VBA サンプル画像


上記では、最大値・最小値をセル範囲から取得していますが、
SeriesCollection(1).Values
ここに値が配列で入っているので、最大値・最小値をここから取得すればVBAが簡潔になります。
この点を変更して、最初のVBAを変更してみます。

Sub VBA100_37_03()
  Dim ws As Worksheet
  Set ws = ActiveSheet
  
  Dim maxVal As Double, minVal As Double
  Dim i As Long, sr As Series
  Set sr = ws.ChartObjects(1).Chart.SeriesCollection(1)
  With ws.ChartObjects(1).Chart.SeriesCollection(1)
    maxVal = WorksheetFunction.Max(sr.Values)
    minVal = WorksheetFunction.Min(sr.Values)
    .Interior.Color = RGB(68, 114, 196)
    .ApplyDataLabels xlDataLabelsShowNone
    For i = 1 To .Points.Count
      Select Case sr.Values(i)
        Case maxVal
          .Points(i).Interior.Color = vbGreen
          .Points(i).ApplyDataLabels
        Case minVal
          .Points(i).Interior.Color = vbRed
          .Points(i).ApplyDataLabels
      End Select
    Next
  End With
End Sub

このVBAはセル範囲を使っていないので、元データの範囲に非表示行があったり、複雑な選択をしていても問題なく対応できます。


SeriesCollectionFullSeriesCollectionの違いについて
マクロの記録ではFullSeriesCollectionで記録されたと思います。
> FullSeriesCollectionオブジェクトを使用すると、フィルターで除外された Series オブジェクトを取得したり、再び除外したりすることができます。
以下の公式ドキュメントに書かれています。
これを読んでも良く分からないと思いますが、通常はどちらを使っても同じです。

マクロ VBA 100本ノック

ここで、系列のチェックを外したときに消した系列を、
含めるのがFullSeriesCollection
含めないのがSeriesCollection
この違いになります。


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