VBA練習問題
VBA100本ノック 56本目:数式内の自身のシート名を消す

VBAを100本の練習問題で鍛えます
公開日:2020-12-28 最終更新日:2021-04-27

VBA100本ノック 56本目:数式内の自身のシート名を消す


全シートの全数式内での自身のシート参照を消す問題です。


ツイッター連動企画です。
ツイートでの見やすさを考慮して、ブック・シート指定等を適宜省略しています。

VBAテスト用のサンプルデータはご自身でご用意ください。
いろいろな数式のパターンを作成して確認してみてください。


出題

出題ツイートへのリンク

#VBA100本ノック 56本目
数式に自身のシート名が入っていると数式が長く、並べ替えが上手く出来ない等々何かと邪魔です。
そこで全シートの全数式内での自身のシート参照を消してください。
=自身のシート!C2… → =C2…
※シート名に記号が使われている場合を考慮。
※串刺し計算は置換しません。


参考として追記
=SUM(Sheet2!A1:A3) ・・・ 普通のシート
='Sheet 1'!A1 ・・・ シート名にスペース
=Sheet2!J3:J13 ・・・ スピル、配列も変わりません
=SUM('Sheet 1:Sheet2'!A1) ・・・ 串刺し


VBA作成タイム

この下に頂いた回答へのリンクと解説を掲載しています。
途中まででも良いので、できるだけ自分でVBAを書いてみましょう。


他の人の回答および解説を見て、書いたVBAを見直してみましょう。


頂いた回答

解説

シート名にスペースや記号を含む含まないで、シングルクォートが付いたり付かなかったり、その後に続く!との組み合わせを考えなくてはなりません。
串刺し計算まで考えると結構面倒なVBAになってしまいます。
そこで、シート名を置換して必ずシングルクォートが付くようにしてから置換します。

Sub VBA100_56_01()
  Dim wb As Workbook: Set wb = ActiveWorkbook
  
  Dim saveCalc As XlCalculation
  saveCalc = Application.Calculation
  Application.Calculation = xlCalculationManual
  
  Dim ws As Worksheet, saveName As String, rng As Range
  For Each ws In wb.Worksheets
    On Error Resume Next
    Set rng = ws.Cells.SpecialCells(xlCellTypeFormulas)
    If Err.Number = 0 Then
      saveName = ws.Name
      ws.Name = ws.Name & vbTab
      Call replaceFormula(rng, ws.Name)
      ws.Name = saveName
    End If
  Next
  
  Application.Calculation = saveCalc
  MsgBox "完了"
End Sub

Sub replaceFormula(ByVal aRng As Range, ByVal aName As String)
  Dim tName As String
  tName = "'" & Replace(aName, "'", "''") & "'!"
  aRng.Replace What:=tName, Replacement:="", LookAt:=xlPart, MatchCase:=True
End Sub


Tabを後ろに付ければ他のシートと重複することは無いでしょう。
上記ではReplaceメソッドで一発で実行しています。
1セルずつ置換する場合は配列数式の考慮が必要になります。
これについては記事補足に掲載しました。


補足

1セルずつRplace関数でFormulaを置換しても良いでしょう。
ただし、配列数式に対して注意が必要になります。
配列数式は、その一部のセルのみ数式(Formula)を変更することは出来ません。
マクロ VBA 100本ノック

配列数式かどうかは、RangeオブジェクトのHasArrayプロパティで判定できます。
そして、FormulaArrayプロパティを使えば配列数式を1セルだけで変更できます。

メインのプロシージャーは先のVBAと同じものを使います。
replaceFormula
このプロシージャーの変更だけになります。

Sub replaceFormula(ByVal aRng As Range, ByVal aName As String)
  Dim tName As String
  tName = "'" & Replace(aName, "'", "''") & "'!"
  
  Dim rng As Range
  For Each rng In aRng
    If rng.HasArray Then
      rng.FormulaArray = Replace(rng.Formula, tName, "")
    Else
      rng.Formula = Replace(rng.Formula, tName, "")
    End If
  Next
End Sub


サイト内関連ページ

第38回.セルに計算式を設定(Formula)
・計算式を設定できるプロパティ ・Valueプロパティ ・Formulaプロパティ , FormulaLocalプロパティ ・FormulaR1C1プロパティ , FormulaR1C1Localプロパティ ・R1C1参照形式 ・Localが付くプロパティについて ・それぞれの違い(Localは除く) ・何故、こんなに多くのプロパティが存在しているのか ・R1C1形式を使うメリット ・たった1行のVBAで複数のセルに計算式を入れる
第47回.VBA関数(文字列操作,Replace,InStr,StrConv)
・文字列操作に関するVBA関数の一覧 ・Replace関数 ・InStr関数 ・StrConv関数 ・最後に
第99回.Replaceメソッド(置換)
・Replaceメソッド の構文 ・Replaceメソッドの注意点 ・Replaceメソッドの使用例 ・ReplaceメソッドとReplace関数の使い分け




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