VBAサンプル集
指定セルに名前定義されているか判定する

ExcelマクロVBAの実用サンプル、エクセルVBA集と解説
公開日:2013-11-04 最終更新日:2019-10-27

指定セルに名前定義されているか判定する


名前定義は、マクロVBAでは、セル位置の特定において重要な役割を持ちます、
あるセルが名前定義されているか判定するマクロVBAになります。
ここでは、名前定義されている場合は、その名前定義を削除するVBAサンプルとしています。


指定セル範囲が何らかの名前定義に含まれているか

Sub sample()
  Dim rng As Range
  Set rng = Range("A1")
  Call sample1(rng)
End Sub

Sub sample1(rng As Range)
  Dim nm As Name
  For Each nm In Names
    If Not Intersect(rng, Range(nm.RefersTo)) Then
      nm.Delete
    End If
  Next
End Sub

上記では、指定セルが、何らかの名前定義に含まれている場合、
その名前定義を削除しています。

指定セルは、単一セルである必要はありません。
複数セルであるセル範囲で指定した場合は、
指定されたセル範囲のいずれかのセルが、名前定義に含まれている場合に削除されます。
これで良い場合もあるとは思いますが、ちょっと不都合な場合が多いと思います。

指定セル範囲と同一範囲の名前定義があるか

Sub sample()
  Dim rng As Range
  Set rng = Range("A1")
  Call sample2(rng)
End Sub

Sub sample2(rng As Range)
  Dim nm As Name
  For Each nm In Names
    If rng.Address = nm.RefersToRange.Address Then
      nm.Delete
    End If
  Next
End Sub

sample1との違いは、指定セル範囲が名前定義の参照範囲と完全一致で判定している事だけです。
その使うシーンに合わせて使い分けて下さい。

すでに設定されている名前定義を削除してから再設定

単一セルに対して、名前定義を行うマクロVBAにおいて、
すでに設定されている名前定義を削除してから再設定する場合は、
sample2を応用して、以下のようなマクロVBAコードにすれば良いでしょう。

Sub sample()
  Dim rng As Range
  Set rng = Range("A1")
  Call sample3(rng, "NewName")
End Sub

Sub sample3(rng As Range, strName As String)
  Dim nm As Name
  For Each nm In Names
    If rng.Address = nm.RefersToRange.Address Then
      nm.Delete
    End If
  Next
  rng.Parent.Parent.Names.Add Name:=strName, RefersToLocal:="=" & rng.Address(External:=True)
End Sub

最後の、
rng.Parent.Parent.Names.Add Name:=strName, RefersToLocal:="=" & rng.Address(External:=True)
この部分が、ちょっと分かりづらいかもしれません。
Rangeの親(Parent)はSheetになり、
そのSheetの親(Parent)はBookになります。
つまり、てっとり早く書くなら、
Thisworkbook.Names.Add

Activeworkbook.Add
これで問題ありません。

ここでは、ブックにとらわれずに、引数に指定されたRangeのBookに対して、
名前定義をするようにする為に、
rng.Parent.Parent.Names.Add
このように、ちょっと回りくどい書き方をしました。

単に名前定義の参照範囲を変更したい場合は、

Range("E2:G10").Name = "test"

このような書き方をすれば、名前定義が無ければ新規に名前定義されますし、
既に名前定義が存在すれば、参照範囲が変更されます。
ただし、この書き方ではブック範囲の名前定義しか作成できません。

マクロVBAでの名前定義について

名前定義は、マクロVBA開発において、
フレキシブルなVBAコードにする為には必須機能となります。
その場合に、大量の名前定義は手操作で追加するのでは大変になりますので、
このように、マクロVBAで簡単に設定できるようにしておくと効率が良くなります。

第92回.名前定義(Names)|VBA入門
・Namesコレクション ・Nameオブジェクト ・RangeオブジェクトのNameプロパティ ・名前定義を使ったRangeの書き方 ・シートコピー時は名前定義に注意 ・名前定義の実践例

名前定義の一覧と削除(Name)
・名前定義の一覧を取得し、シートに書き出すマクロVBA ・非表示の名前定義を表示 ・サイト内の関連ページ



同じテーマ「マクロVBAサンプル集」の記事

素数を求めるマクロ

素数とは、1と自分自身以外に正の約数を持たない、1でない自然数のことです、この素数を求めて、シートに出力するマクロになります。特に何かに使えると言う事もないので、PCの計算能力って、どの程度なのかを実感してみるくらいの事でしょうか。注意 このマクロはオーバーフローするまで停止しません。
入力規則のリスト入力の妥当性判定
・入力規則に反するデータかの判定Function ・入力規則のリスト入力の妥当性を判定Function ・最後に
配色を使用したカラー設定を固定カラーに変更
Excel2007以降なら配色を選択して作成した場合、作成したシートを他のブックに移すと色が変わってしまいます、そこで、配色ではなくRGB値で色を再設定することで、元々の色をそのままにして、他のブックに移すことが出来るようにします。以下は、この目的で色を再設定するマクロVBAになります。
指定セルに名前定義されているか判定する
Excel2003(xls)を2007以降(xlsx,xlsm)に変換する(HasVBProject)
Excel2003形式(xls)のファイルを、一括でExcel2007以降形式(xlsx,xlsm)に変換するマクロVBAサンプルコードです。サンプルコードでは、サブフォルダ「Excelファイル」にあるxlsを、マクロ無しならxlsx、マクロ有りならxlsmにして保存しています。
ハイパーリンクからファイルのフルパスを取得する
ハイパーリンクのリンク先ファイル情報を取得しようとすると、なかなか難しいことになります、ハイパーリンクからパスを取得すると相対パスとなり、簡単にはファイル情報を取得出来ません。以下のサンプルでは、ハイパーリンクの設定されているセルの右隣のセルに更新日時を出力しています。
ボタンに表示されているテキストを取得(Application.Caller)
メニューのシートを作成して、ボタンを配置、そしてボタンにより指定シートに移動する。よくありますが、ボタン一つずつに別々(移動先のシート毎に)のマクロを作成するのは面倒です、そこで、一つのマクロで済ませる方法の紹介です。Application.Caller Application.Callerは、VBAを呼び出した方…
Excelの表をPowerPointへ図として貼り付け
・Excelの表をPowerPointへ図として貼り付けるVBA ・Excelの表をPowerPointへ図として貼り付けるVBAの解説 ・グラフをPowerPointへ貼り付け ・既にパワーポイントを開いている場合
VBAで表やグラフをPowerPointへ貼り付ける
・表やグラフをPowerPointへ貼り付けるVBA ・PowerPointを使う準備と保存終了 ・表(セル範囲)をPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・グラフをPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・貼り付け時のエラー対応 ・既にパワーポイントを開いている場合
フォルダ(サブフォルダも全て)削除する、Optionでファイルのみ削除
VBAでフォルダを削除するにはRmDirステートメントを使いますが、サブフォルダやファイルが入っている場合は、RmDirはエラーとなります。そこで、サブフォルダやファイルがある場合は、FileSystemObjectを使います。以下のサンプル使用時には、「ツール」→「参照設定」で、「MicrosoftScripti…
Shift_JISのテキストファイルをUTF-8に一括変換
本サイトの文字コードは開設当初からShift_JISでしたが、昨今の事情を考えてUTF-8に変更することにしました。そこで既存記事全てを一括で変換することになり、これをVBAでやりましたので、その時のマクロVBAコードを掲載しておきます。以下のVBAコードはサイトのUTF-8変更にあたり急遽作成したものですが、


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

TRIMRANGE関数(セル範囲をトリム:端の空白セルを除外)|エクセル入門(2024-08-30)
正規表現関数(REGEXTEST,REGEXREPLACE,REGEXEXTRACT)|エクセル入門(2024-07-02)
エクセルが起動しない、Excelが立ち上がらない|エクセル雑感(2024-04-11)
ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
5.RangeとCellsの使い方|VBA入門
6.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
7.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
8.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
9.条件分岐(Select Case)|VBA入門
10.マクロとは?VBAとは?VBAでできること|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ