VBA技術解説
Applicationを省略できるApplicationのメソッド・プロパティ一覧

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
公開日:2019-07-22 最終更新日:2020-03-27

Applicationを省略できるApplicationのメソッド・プロパティ一覧


マクロ VBA グローバル

Applicationには多数のメソッド・プロパティがありますが、
この中には、
Applicationを記述しなければならないものと、
Applicationを省略できるものとが存在します。


これらの違いはどこから来るのでしょうか・・・

Applicationの全てのプロパティ・メソッドについては、
Applicationのプロパティ、メソッド、イベント一覧
・Applicationオブジェクトのプロパティ一覧 ・Applicationオブジェクトのメソッド一覧 ・Applicationオブジェクトのイベント一覧

Applicationを省略できるかどうかの確認

Applicationを省略できるかできないかは、グローバルに定義されているかどうかになります。
グローバルに定義されているかどうかは、オブジェクトブラウザ(F2)で確認できます。

マクロ VBA グローバル

先頭の、「<グローバル>」この中にあるかどうかです。
このままでは、プロパティもメソッドも全部ひっくるめてABC順になっています。
そこで、プロパティ・メソッド別にします。
メンバーを右クリックして、

マクロ VBA グローバル

グループ メンバー(M)」をクリック

マクロ VBA グローバル

これで、プロパティとメソッド別になりました。
そこで、下の方を見てみると、

マクロ VBA グローバル

マクロ VBA サンプル画像これはメソッドのアイコンですが、、、
Abs等々、これらはいわゆるVBA関数ですね。
つまり、関数とメソッドの区別が付きません、そもそも関数も広義にはメソッドですから。
関数以外にも、Application以外のメソッド・プロパティが入っているという事です。
では、Applicationのメソッド・プロパティだけにしたい時には、どうするか、、、
Applicationのプロパティまたはメソッドと分かっているものをクリック選択します。

マクロ VBA グローバル

下の方に、「Excel.Global のメンバ」と記載されているのが確認できます。
そして、このExcel.Globalにリンクが付いています。
リンクがあるのなら、なにはともあれクリックしましょう(笑)

マクロ VBA グローバル

うん、そうなの、という感じです。
では非表示を表示しましょう。

マクロ VBA グローバル

メンバーを右クリックして、
非表示のメンバーを表示(H)」をクリックします。
そして、再度、
「Excel.Global のメンバ」のExcel.Globalのリンクをクリックします。

マクロ VBA グローバル

下までスクロールしてみると、

マクロ VBA グローバル

これが、目的のApplicationのメソッド・プロパティのようですね。
グローバルに定義されているApplicationのメソッド・プロパティになります。
そんなに多い数ではありませんね。

薄い文字色は非表示メンバーです。
Globalがそもそも非表示メンバーなので、非表示メンバーの中の非表示メンバーという事になります。

クラスには、「Global」が2つありますが、

マクロ VBA グローバル

片方の「Global」は、VBAのメンバーになりますので、
今回のApplicationのメソッド・プロパティではありません。

「_Global」もありますが、どのような目的で作られたのか分かりませんし、
入っているメンバーは「Global」と同じみたいなので今回は気にしないことにします。

Applicationを省略できるApplicationのメソッド一覧

メソッド 説明
Calculate 計算を実行します。
DDEExecute 指定されたDDEチャネルを経由して、他のアプリケーション内でコマンドまたは動作を実行します。
DDEPoke アプリケーションにデータを送ります。
DDERequest 指定されたアプリケーションの情報を返します。
DDETerminate ほかのアプリケーションへのチャネルを閉じます。
Evaluate 使用する名前を、オブジェクトまたは値に変換します。
_Evaluate Evaluateと同様機能の非表示メンバー
ExecuteExcel4Macro Excel4.0マクロ関数を実行し、関数の結果を返します。
Intersect 複数のセル範囲の共有セル範囲を表すRangeオブジェクトを返します。
Run マクロの実行または関数の呼び出しを行います。
_Run2 Runと同様機能の非表示メンバー
SendKeys アクティブなアプリケーションにキーコードを転送します。
Union 2つ以上のセル範囲の集合を返します。
※DDE○○については、OLE登場以前のものなので、さすがに使う事はないでしょうから割愛します。

Applicationのメソッドでは、グローバルに入っているものの方が少ないので、
Applicationから書き始めている人の方が多いかもしれません。
本サイトのサンプルVBAでは省略して書いている事の方が多いです。
ただしRunについては、さすがに分かりづらいのでApplicationから書いています。
以下、これらのメソッドを使っている参考ページになります。

Evaluate
文字列でのセル参照と文字列の計算式について(Evaluate,INDIRECT)
セルまたはセル範囲を表す文字列からセル参照する場合と、文字列としての計算式から計算する場合です。"Sheet1"の A1に、"Sheet2" B1に、"A1" "Sheet2"の A1に、"(2+3)*2" このよう…
ExecuteExcel4Macro
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・ ・ ・ExecuteExcel4Macroの使用例 ・ExecuteExcel4Macroの最後に
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Intersect
Intersectメソッド|ExcelマクロVBA入門
・Intersectメソッド ・Intersectの使用例 ・Intersectメソッドの最後に
Run
他のブックのマクロを実行(Runメソッド)|マクロVBA入門
・Application.Runメソッド ・Application.Runの使用例 ・Application.Runの必要性
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文字列変数の中にプロシージャー名が入っていて、そのプロシージャーを起動したい場合になります、実際には、そのような構造が良いとは思えませんが、知っていればプログラミングの幅が広がります。使うのは、OnTimeメソッドorRunメソッドになります。
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Union
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_(アンダースコア)付きの非表示メンバーの使い方
上記の、
_Evaluate
_Run2
これらは特殊な非表示メンバーですが、これらを使う時にはVBAの書き方が変わります。
オブジェクトブラウザーで非表示メンバーを表示していれば、

マクロ VBA グローバル

これで選択すると、

マクロ VBA グローバル

このように、[]が付きます。
非表示メンバーを表示していない時には、[]をタイピングしてください。
_(アンダースコア)付きの非表示メンバーは使うべきではないと思いますし、使う理由もないとは思いますが。

Applicationを省略できるApplicationのプロパティ一覧

名前 説明
ActiveCell 最前面に表示されている、アクティブウィンドウ(一番手前のウィンドウ)または指定されたウィンドウでのアクティブセルを表すRangeオブジェクトを返します。
ActiveChart アクティブなグラフシートまたは埋め込みグラフを表すChartオブジェクトを返します。
ActiveDialog 非表示メンバー、VBA言語リファレンスに記載なし
ActiveMenuBar 非表示メンバー、VBA言語リファレンスに記載なし
ActivePrinter 有効なプリンターの名前を設定します。
ActiveSheet 作業中のブック、および指定されたウィンドウまたはブックのアクティブシート(一番手前のシート)を表すオブジェクトを返します。
ActiveWindow 一番手前に表示されているアクティブウィンドウを表すWindowオブジェクトを返します。
ActiveWorkbook 一番手前に表示されている、アクティブウィンドウ内にあるブックを表すWorkbookオブジェクトを返します。
AddIns [アドイン]ダイアログボックス([開発]タブの[アドイン]コマンド)に表示されるすべてのアドインを表すAddInsコレクションを返します。
Application 対象となるオブジェクトが指定されない場合は、Excelアプリケーション(Applicationオブジェクト)を返します。
Assistant 非表示メンバー、VBA言語リファレンスに記載なし
Cells アクティブシートのすべてのセルを表すRangeオブジェクトを返します。
Charts 作業中のブックのすべてのグラフシートを表すSheetsコレクションを返します。
Columns 作業中のワークシートのすべての列を表すRangeオブジェクトを返します。
CommandBars Excelコマンドバーを表すCommandBarsオブジェクトを返します。
Creator 現在のオブジェクトが作成されたアプリケーションを示す32ビットの整数を取得します。
DDEAppReturnCode 前回受け取ったDDE応答メッセージから、アプリケーション所定のDDEリターンコードを返します。
DialogSheets 非表示メンバー、VBA言語リファレンスに記載なし
Excel4IntlMacroSheets 指定されたブックのすべてのMicrosoftExcel4.0インターナショナルマクロシートを表すSheetsコレクションを返します。
Excel4MacroSheets 指定されたブックのすべてのMicrosoftExcel4.0マクロシートを表すSheetsコレクションを返します。
MenuBars 非表示メンバー、VBA言語リファレンスに記載なし
Modules 非表示メンバー、VBA言語リファレンスに記載なし
Names 作業中のブックのすべての名前を表すNamesコレクションを返します。
Parent 指定されたオブジェクトの親オブジェクトを取得します。
Range セルまたはセルの範囲を表すRangeオブジェクトを返します。
Rows アクティブシートがワークシートのとき、そのワークシートにあるすべての行(Rangeオブジェクト)を返します。
Selection Applicationオブジェクトでは、アクティブウィンドウで現在選択されているオブジェクトを返します。
Sheets 作業中のブックのすべてのシートを表すSheetsコレクションを返します。
ShortcutMenus 非表示メンバー、VBA言語リファレンスに記載なし
ThisWorkbook 現在実行中のマクロコードが記述されているブック(Workbookオブジェクト)を返します。
Toolbars 非表示メンバー、VBA言語リファレンスに記載なし
Windows すべてのブックのウィンドウを表すWindowsコレクションを返します。
Workbooks 開かれているすべてのブックを表すWorkbooksコレクションを返します。
WorksheetFunction WorksheetFunctionオブジェクトを返します。
Worksheets Applicationオブジェクトでは、作業中のブックのすべてのワークシートを表すSheetsコレクションを返します。

Applicationのプロパティの中でも、
ブック・シート・セル
これらに関するプロパティについては、ほとんどの場合Applicationは省略して書いている事と思います。
Applicationを省略してしまうと分かりづらいプロパティというのも特段に無いと思いますので、
Applicationのプロパティの中でApplicationを省略できるものは省略したほうがVBAが簡潔に済むので良いでしょう。

最後に一言

今回は、これを知ったからと言って直接的に何かに役立つものではありません。
VBAでちょっとした疑問がわいたとき、まずはWEB検索します。
でも、WEB検索してもなかなか目的のものが得られない時は多々あります。
そんな時に最後に頼れるものがオブジェクトブラウザーになります。
オブジェクトブラウザーの中を探せば、必ず目的の情報の糸口がどこかにあるはずです。

たとえそういう目的がなくても、たまにはオブジェクトブラウザーを見てみるのはいかがでしょうか。
オブジェクトブラウザーの世界を散歩してみると新しい発見があって楽しいかもしれませんよ。



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