エクセル入門
絶対参照と相対参照

Excelの初心者向け入門解説
最終更新日:2021-06-17

数式.絶対参照と相対参照


数式のセル参照では、相対参照と絶対参照を使い分けて入力する必要があります。


エクセルでは、セルをコピーして使う事が多くなります。
何度も同じ数式を入れるのは面倒で非効率です。
そこで、一か所に入れた数式を他のセルにコピーして使います。
このとき、相対参照と絶対参照を適切に指定しておかないと、コピーした数式が正しい結果になりません。


相対参照

数式において、セル参照を使用すると、
C5
このように、列記号の後ろに行番号が付いた形になります。

ただし、これは、
C5セル(C列5行目のセル)に特定しているわけではありません。
あくまで、数式を入力したセル位置からの位置関係を表しています。
数式を入れたセルを、B2セルだとすると、
B2セルから、右に1列、下に3行の位置にあるセルとして認識されます。
そこで、B2セルをC3セルにコピーすると、
C3セルから、右に1列、下に3行の位置にあるセルになるので、
D6と自動的に数式が変更されます。

つまり、
セルのシート上での絶対的な位置ではなく、数式を入力しているセルからの相対的な位置関係を表しているです。
このような参照形式を相対参照と呼びます。


絶対参照

数式をコピーした場合に、セル参照が動いてほしくない場合があります。
そのような場合には、$(ドル記号)を付けて
$C$5
とします。

$(ドル記号)を付けてセルを固定させることが出来ます。
数式を入れたセルを、B2セルだとして、
B2セルをC3セルにコピーしても、
$C$5は変化しません。

つまり、
セルのシート上での絶対的な位置を表しているです。
このような参照形式を絶対参照と呼びます。


複合参照

数式をコピーした場合に、
列は動いてほしいけど、行は動いてほしくない。
列は動いてほしくないけど、行は動いてほしい。
このような場合が出てきます。

この場合は、動いてほしくない方(列または行)の前に、$(ドル記号)を付けます。
$C5
セルをコピーしても列は変化しませんが、行は相対位置に変化します。
B2セルで$C5と参照している場合、
B2セルをC3セルにコピーすると、$C6となります。
列のみ絶対参照にしているので、絶対列参照と呼びます。

C$5
セルをコピーしても行は変化しませんが、列は相対位置に変化します。
B2セルでC$5と参照している場合、
B2セルをC3セルにコピーすると、D$5となります。
列のみ絶対参照にしているので、絶対行参照と呼びます。

このように、参照形式を絶対参照と相対参照を複合させた参照形式を、複合参照と呼びます。


複合参照の考え方

列と行のどちらを絶対参照にしたら良いのか毎回悩んでしまう。
こういう話は良く聞きます。
正しいかどうかの判断は、
セルをコピーしてみて、コピー先の数式を確認してみれば分かりますが・・・

とはいえ、どのような考え方をしたら良いかとの質問はとても多いです。
極めて簡単に説明してみましよう。

エクセルで最も良く出てくるクロス集計を例にします。
数式を入れているセルに対して、
左列にあるセルは列の絶対参照
上行にあるセルは行の絶対参照

エクセル Excel 相対参照 絶対参照

「数式を入れるセル」に数式をいれて、他のセルにコピーする場合を考えてみましょう。
「列の絶対参照」への参照は、横にずれてしまっては困りますので列を絶対参照にします。
「行の絶対参照」への参照は、縦にずれてしまっては困りますので行を絶対参照にします。

以下のような覚え型はいかがでしょうか。

左列上行の法則

数式を入れるセルから見て、
「左の列は列に$、上の行は行に$をつける」

エクセル Excel 相対参照 絶対参照

これらは一例ですが、これが基本です。
これをしっかり身に付けてしまうと、案外どのような表でも悩まなくなるはずです。


$(ドル記号)を付ける操作方法

手入力で$(ドル記号)を付けても構いませんが、
F4 キー押下することで$(ドル記号)を付けることが出来ます。

セル参照の文字にカーソルを合わせて、
F4 キー押下することで、$(ドル記号)の付く位置が順次変わります。
A1 → $A$1 → A$1 → $A1 → A1

入力カーソルの位置によって、$の付く範囲が変わります。

エクセル Excel 相対参照 絶対参照


絶対参照と相対参照のまとめ

相対参照

数式が入力されているセル位置を基点にして、参照するセルが決まります。
数式をコピーした時、コピー元での相対的なセル位置関係が保持されて、セル参照が変化します。

絶対参照

特定の位置にあるセルが必ず参照されます。
数式をコピーしても、セル参照は変化しません。
$(ドル記号)を付ける事で、セルが固定されます。

複合参照

絶対参照と相対参照を組み合わせて使います。
列を固定する場合は列の前に$(ドル記号)を付ける(絶対列参照)
行を固定する場合は行の前に$(ドル記号)を付ける(絶対行参照)



同じテーマ「エクセル入門」の記事

入力規則.ユーザー設定(重複、全角チェック等)
入力規則.日本語入力
数式とは
絶対参照と相対参照
SUM関数(引数を合計)
IF関数(条件を満たしているかどうかを判定)
関数のネスト
SUMIF関数(検索条件に一致するセルの合計)
COUNT関数(セル値が数値の個数)
COUNTA関数(空白以外のセルの個数)
COUNTIF関数(検索条件に一致するセルの個数)


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

列全体を指定する時のRangeとColumnsの違い|ツイッター出題回答 (2023-09-24)
シートのActiveXチェックボックスの指定方法|ツイッター出題回答 (2023-09-24)
ByRef引数の型が一致しません。|ツイッター出題回答 (2023-09-22)
シートコピー後のアクティブシートは何か|ツイッター出題回答 (2023-09-19)
Excel関数の引数を省略した場合について|ツイッター出題回答 (2023-09-14)
セル個数を返すRange.CountLargeプロパティとは|VBA技術解説(2023-09-08)
記号を繰り返してグラフ作成(10単位で折り返す)|ツイッター出題回答 (2023-08-28)
シートを削除:不定数のシート名に対応|VBAサンプル集(2023-08-24)
ランクによりボイントを付ける(同順位はポイントを分割)|ツイッター出題回答 (2023-08-22)
OneDrive使用時のThisWorkbook.Pathの扱い方|VBA技術解説(2023-07-26)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.RangeとCellsの使い方|VBA入門
3.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
4.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
5.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
6.マクロとは?VBAとは?VBAでできること|VBA入門
7.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
8.並べ替え(Sort)|VBA入門
9.Range以外の指定方法(Cells,Rows,Columns)|VBA入門
10.条件分岐(IF)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。



このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ