VBAサンプル集
他ブックを開いて閉じる(Open,Close)

ExcelマクロVBAの実用サンプル、エクセルVBA集と解説
最終更新日:2020-04-15

他ブックを開いて閉じる(Open,Close)


他のExcelブックを開いて、何らかの処理(転記等)を実行した後に、そのブックを閉じる。
VBAでは、よくあるパターンですね。
ワークシート関数では出来ない、VBAならではの処理とも言えます。


以下では、他ブックを開いて閉じる場合の基本的なVBAサンプルと簡単な解説をします。
それぞれのVBAでの違いは、開いたブックをその後にどのように指定するかと言うところになります。

パターン1:ActiveWorkbook

Sub sample1()
  Dim strBookName As String
  Workbooks.Open "ブックのフルパス"
  strBookName = ActiveWorkbook.Name
  ・・・処理
  Workbooks(strBookName).Close SaveChanges:=False
End Sub

"ブックのフルパス"は、"C:\ExcelFolder\Book1.xlsx"等です。
Openしたブックはアクティブ(一番前面に出ている)になっています。
つまりそれがActiveWorkbookです。
ActiveWorkbook.Nameを変数に入れて、それ以降のブック指定に使用しています。
保存が必要な時は、SaveChanges:=Trueとして下さい。

初級の初級といえる使い方ではありますが、だからこそ基本とも言えます。
次の段階に進むと、このようなVBAを書くことは無くなりますが、基本として必ず覚えておくべきものです。

サイト内の参考ページ

第63回.ブックを開く(Open)
・Workbooks.Openメソッド ・Openメソッドの使用例 ・Openメソッドの戻り値の使い方 ・Workbooks.Addメソッド ・Openメソッドの関連記事
第64回.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)
・ブックを閉じる ・ブックを上書き保存 ・ブックに名前を付けて保存 ・ブックのコピーを保存 ・ブックを閉じる・保存の実践例

パターン2:Workbooks.Count

Sub sample2()
  Workbooks.Open "ブックのフルパス"
  '・・・処理
  Workbooks(Workbooks.Count).Close SaveChanges:=False
End Sub

OpenしたブックはWorkbooksコレクションに追加されます。
つまり、Workbooksの最後が開いたブックになります。
Workbooks.Countは、開いているブック数です。
つまり、Workbooks(Workbooks.Count)は最後に開いたブックになります。

考え方としては覚えておくべきことですが、このVBAを実際に使う事は無いと思います。

サイト内の参考ページ

第53回.Workbookオブジェクト
・WorkBookの指定方法 ・WorkBookのデータ型 ・WorkBookのプロパティとメソッド ・Workbookオブジェクトの使用例 ・プロパティとメソッドの違い

パターン3:オブジェクト変数

Sub sample3()
  Dim wb As Workbook
  Set wb = Workbooks.Open("ブックのフルパス")
  ・・・処理
  wb.Close SaveChanges:=False
End Sub

Openメソッドの戻り値(開いたブックのオブジェクト)を変数に入れています。
オブジェクト変数への代入はSetステートメントを使用します。
これ以降は、このオブジェクト変数を使う事で開いたブックに対して処理することができます。

この使い方は、初心者から上級者まで使う最も基本的なVBAになります。

サイト内の参考ページ

第51回.Withステートメント
・Withの構文 ・Withを使った時と使わない時の比較 ・Withの使用例 ・Withのネスト ・Withを使ったときに気を付けるべき書き方 ・Withの使いどころ ・サイト内の参考ページ
第52回.オブジェクト変数とSetステートメント
・オブジェクト変数 ・個有のオブジェクト型とは ・Setステートメント ・Setステートメントの使用例 ・WithとSetの使い分け方 ・Setステートメントの実践的な使い方 ・Is演算子によるオブジェクトの比較 ・最後に

パターン4:Withステートメント

Sub sample4()
  With Workbooks.Open("ブックのフルパス")
    '・・・処理
    .Close SaveChanges:=False
  End With
End Sub

Openメソッドの戻り値(開いたブックのオブジェクト)をWithに指定しています。
Withの中(End Withまで)では、.ドットから書き始めることでWithに指定したオブジェクトの記述を省略できます。

変数が必要なくなりVBA記述が短くて済みますが、
使用するのは、End Withの手前で必ずブックを閉じる場合のみに限定されます。
Withの中でCloseしない場合は、結局パターン1等でブックを特定することになり、返って悪いVBAとなってしまいます。

サイト内の参考ページ

第51回.Withステートメント
・Withの構文 ・Withを使った時と使わない時の比較 ・Withの使用例 ・Withのネスト ・Withを使ったときに気を付けるべき書き方 ・Withの使いどころ ・サイト内の参考ページ
第52回.オブジェクト変数とSetステートメント
・オブジェクト変数 ・個有のオブジェクト型とは ・Setステートメント ・Setステートメントの使用例 ・WithとSetの使い分け方 ・Setステートメントの実践的な使い方 ・Is演算子によるオブジェクトの比較 ・最後に

パターン5:オブジェクト変数+Withステートメント

Sub sample5()
  Dim wb As Workbook
  Set wb = Workbooks.Open("C:\Users\yamao\Desktop\Book1.xlsx")
  With wb
    '・・・処理
    .Close SaveChanges:=False
  End With
End Sub

パターン3とパターン4を組み合わせて使用しています。
全体構想の考えがまとまっておらず、とりあえず書き始めるなら、このようにしておくと融通が効きやすい場合が多いでしょう。
もちろん、ワークシートのオブジェクト変数を使ったりする過程で、VBAの書きやすさ見やすさとの兼ね合いになります。

開いているブックをブック名で検索し閉じる場合

ついでに、開いているブックをブック名で検索し閉じる場合のVBAも紹介しておきます。

Sub sample6()
  Dim i As Long
  For i = 1 To Workbooks.Count
    If Workbooks(i).Name Like "*○○○*" Then
      Workbooks(i).Close SaveChanges:=False
    End If
  Next i
End Sub

Sub sample7()
  Dim wb As Workbook
  For Each wb In Workbooks
    If InStr(wb.Name, "○○○") > 0 Then
      wb.Close SaveChanges:=False
    End If
  Next
End Sub

上記2つのVBAは同じことをしています。
Workbooksコレクションを処理する場合として、For...Nextで処理するか、For Each...Nextで処理するかの違いと、
Likeでワイルドカードを使う場合と、InStrで文字列位置を取得するかの違いです。

これは、好みによって使い分ければ良いのですが、どちらのVBAも書けるようになっていた方が良いでしょう。



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